2016年7月24日

ガンバ戦

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担当:大重正人

クリスティアーノ選手の豪脚が試合の口火を切り、そして勝負を決めました。前半、両者ともコンパクトな陣形を保ち、一方での最終ラインを高い位置で保とうとするなかで、レイソルが先行します。前半9分、起点はクリス自身でした。クリアを拾って、前線の武富選手へ浮き球を送ると、このリターンを受ける空中ワンツーのような形で抜け出します。ドリブルで射程圏まで運ぶと、右足を強振。日本代表GK東口選手がシュートコースに入るものの、強烈な一撃が上回り、頭上を射抜きます。

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さらに14分、右サイドからのスローインから伊東選手がドリブルでバイタルまで進出。左サイドで構えるクリスへ送ると、ここからは打ってこないだろうというようなロングレンジからまたも強烈シュート。DFのブラインドになったか、東口選手もあまり反応できないようなシュートが突き刺さります。

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このシュートの前、相手との競り合いで身体を張ったプレーがありました。1点目は武富選手、2点目はディエゴ選手。特に1点目、武富選手は顔を激しく打ち付け、アドバンテージをもらうほどのファウルを受けながら、クリスへとボールをつなぎました。試合後の会見でガンバの長谷川監督が「武富ぐらいの身長の選手に負けちゃいけない」と厳しい言葉がありましたが、一方で武富選手が身長で上回る相手に対して一歩も負けなかった、そういうファイトがあったからこそ、生まれたクリスのゴールでした。


しかし。ここで落ち着いて、試合を優勢に進めなければいけないところで、セットプレーとオウンゴールから連続失点。それまでの勢いが嘘のように削がれ、試合は振り出しに戻されてしまいます。それでもベンチに控える増嶋選手からは「キリ!まだまだ、ここからだぞ!!」と鼓舞する叫びがピッチへ。ピッチ内でも「キリくんが、まだ追いつかれただけだぞ。慌てず落ち着いていこう!と声をかけてくれました」(中山選手)。

「不運な形で追いつかれて、動揺している様子も伺えた」という下平監督。先日の広島戦と同じように前半早々に先制しながら、追いつかれてしまった流れがよぎってしまいましたが、そこから選手たちがピッチの中で立て直し、同点のまま踏ん張りきれたところに、今日の勝因のひとつがあります。

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桐畑選手はきのうこんな言葉を残していました。「試合の中でビッグプレーができれば嬉しいですが、そういうプレーができなくても、最後に勝てれば、それはそれでビッグプレーだと思います。自分はあまり試合に出ていないけど、自分の存在感を出せるように、いいプレーを出せるように練習してきました。後ろが踏ん張れば勝てるチャンスはある。そこで声を出したり、雰囲気を作っていきたい」。そして今日の試合後。「シン(中谷)と雄太に声をかけることしかできなかったけれど、そこだけは90分間できたので良かった。攻めている時のリスクや、両サイド、気持ちを鼓舞すること、常に闘うことについて声をかけていた」と持ち前の前向きな姿勢を貫き、勝利へと導きました。

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ハードワーク、球際の競り合い、攻守の切り替え。立ち上がりからそのバトルの部分は「決して悪くない。後半も続けていこう」と下平監督が後半のピッチへ送りだします。そして後半9分、伊東選手の身体を張ったスライディングからボールをカットし、クリスからタケへ。ここですばらしいボールタッチ、キープを見せて、クリスへリターン。そのままドリブルでしかけると、今度は左足のシュート。東口選手の手をかすめて、ネットへ。

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クリスの2点目は、クラブ史上J1通算1000得点のメモリアルゴール。そして3点目、レイソルでの3回目のハットトリック達成となりました。「クラブのJ1通算1000ゴールが懸かっていたことも知っていた。非常に名誉な得点に自分の名前を刻むことができて喜ばしいことです。自分は強い決意を持って柏に戻ってきたし、チームメイトには以前と変わらず強い信頼感があります。彼らとともに昨年なし得なかったタイトル獲得を目指し、少しでも多くのゴールに絡んでいきたい」。リードしてからのボールチェイスやスライディングタックル、コーナー付近でのボールキープなど、ゴールだけでなく勝利への強い執念は、レイソルに大きな影響をもたらしてくれています。

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この勝利で、2ndステージは3勝1分1敗で勝ち点10。勝ち点13の川崎、浦和を3ポイント差でくらいつき、順位は5位へと上がっています。今日は14000人近い観客の応援を受けて、非常にタフで熱い試合が繰り広げられました。選手たちの力とサポーターのみなさんの応援による勝利への一体感、これぞ日立台という熱戦でした。すばらしい応援を今日もありがとうございました!