2016年8月28日

川崎戦

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担当:大重正人

首位フロンターレを相手に、今日の選手たちは本当に勇敢に、自信を持って戦い続けました。昨日の日記で望んだ通りの、胸のすくような快勝を私たちに届けてくれました。キックオフからすぐは両軍ともボールを奪い合うような展開でしたが、開始2分、レイソル自陣からのビルドアップ。川崎の鋭いプレッシングを中谷、中山、秋野の3選手が見事なパスワークで外し、右サイドからの攻撃へつなげます。今日はやれる、という手ごたえをつかんだようなきれいな展開でした。

そしてCKを得ると、ディエゴ選手のヘディングが決まって、開始4分での先制に成功。さらにその1分後、またも自陣からビルドアップからチャンス。左サイドのクリスティアーノ選手へのパスは通りませんが、ここへ中川選手がすばらしい切り替えでアタック。相手のボールをカットすると、折り返しをまたもディエゴ選手がゲット。これ以上のない立ち上がりのラッシュを浴びせました。

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しかし、この早いタイミングでの2点のリード。首位の川崎、これまで見せてきた圧倒的な得点力を発揮すれば、残り85分は3点以上を取るに十分な時間です。動じることなく、1点ずつ返していけばいいというような、そんな落ち着き払ったパスワークから、見事に崩されて19分に1点差とされます。ただここでレイソルは強さを見せました。29分、セットプレーのチャンスから、ディエゴの完璧なヘディング。惜しくもクロスバーに跳ね返されますが、茨田選手がゴール左隅を狙いすましてゲット。

さらに32分、またしても中央でディエゴがフリーになってヘッド、ここはしっかり枠をとらえて、レイソル史上17回目、14人目のハットトリックを達成しました。「今まで2点までは取れたことがあるけれど、ハットトリックは自分自身のサッカーキャリアの中でも初めて。こういった形でレイソルに貢献できたことを嬉しく思います」

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前半38分、この試合の流れを大きく左右するプレーがありました。レイソルの左サイドを崩され、小林悠選手のシュート。GK中村選手が抜かれるも、中谷選手がすばらしいカバー。しかしこのボールが味方の秋野選手に跳ね返り、ボールは辛くもゴールの右へ。あわやオウンゴールというところでしたが、今日は不運ではなく幸運にも失点を免れます。ここで1点返されていれば、後半はまた違った展開になったはずです。GK中村選手を中心に、これ以上はやらせないという気迫が、今日の最終ラインからはみなぎっていました。

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後半はディエゴが負傷交代し、武富選手を投入。川崎のポゼッションが長くなり、レイソルは自陣で耐え、カウンターを狙う展開に。「中盤を開けるな。飛び出したらすぐに戻って閉じる。コンパクトにしてしっかり閉めよう」。フロンターレのパスワークに動かされますが、前後左右の距離をできるだけコンパクトに保ちながら、相手の縦パスを狙っていきます。レイソルがカットすれば、フロンターレの素早い切り替えに遭い、クリアを余儀なくされる場面もありましたが、密集から勇気と自信をもってつないだ場面から5点目が生まれます。

相手のプレッシャーを見事にいなす、中山、栗澤、中谷、秋野のスクエアパス、栗澤選手から武富選手への縦パスが通ると、一気に広大なスペースへのカウンター。ドリブルからのスルーパスに飛び出した中川選手がワンタッチでGKの脇を抜くシュートを流し込んで5点目。勝負を決定づけました。「ゴールが欲しかった。相手が前掛かりに来ていていることは意識していたのでワンチャンスはあると思って走っていた」。この日、ヒロトが走った距離は12.86km。今日の7試合中、断トツの1位。彼の働きを示す数字は嘘をつきません。2点目の起点となった敵陣での守備。相手の巧みなビルドアップに対し、走力と頭脳を駆使して守備のスイッチと勢いを作っていたなか、攻撃でも勝利を引き寄せる大仕事をやってのけました。

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82分に1点を返され、最後は小林、太田とフレッシュな選手を入れ、もう一度チームにパワーを注入し、5-2。今節、Jでもっともインパクトを与えたであろう勝利を手にしました。試合後のミックスゾーン。記者の方からこんなことを聞かれました。「最後、ピッチにいた選手のうち、10人がアカデミー出身でしたよね」。レイソルは長年、選手育成に力を入れ、出身選手を中心としたチームを作ってきました。その選手の多さ、また年齢の若さについては驚きをもって受け取られています。選手やコーチたちが日々成長しようと努力してきたことが、少しずつ実を結び始めています。

アカデミーで育った選手、アカデミーで作ってきたサッカーのスタイルを土台にして、外国籍選手の個の力、今日で言えば伊東選手のスピードや、栗澤選手の経験や献身性、気迫が加わり、首位のチームから5点を奪う勝利を挙げました。この一勝をさらに自信にして、より確固たるものに。そのためには、やはりタイトル獲得やACL出場という実績を積み重ねていかねばなりません。レイソルのサッカーをより磨き続けて、揺るがないものに。

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今日はJリーグで首位を走るチームを撃破しました。首位との勝ち点差は3差に。川崎、浦和、鳥栖、ガンバ、神戸、そしてレイソル。一時は2連敗で2ndステージは非常に困難な状況になりましたが、残り7試合でこの位置につけられたのは、間違いなくビッグチャンスです。ここからの戦いでさらに力を付けて、来年以降、より成長していけるようなステージに立ちたい。柏から世界へ。来週9月3日の天皇杯2回戦は奈良クラブ戦、翌週10日は1st王者の鹿島戦。大事な大事な試合が続きます。9月はホーム日立台で最大4試合、ぜひとも引き続きの応援をよろしくお願いします。今日もチームを勝たせる大きな後押し、本当にありがとうございました。