2016年10月29日

大宮戦

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担当:大重正人

年間勝ち点4位へ、3連勝が必須というなかでのホーム2連戦で、前半途中の連続失点で、2点のビハインド。この大事なシーズンの佳境にこういう試合が2試合続いたことが本当に残念で、悔しく、声を枯らして応援いただいたサポーターの皆さんに顔向けができない試合となってしまいました。

1失点目はクイックリスタートの反応で後れをとり、あっさりと、本当にあっけなくGK中村選手との1対1を作られての失点。2失点目も中盤からのスルーパスを許し、中村選手のアタックがPKの判定を受けました。試合後、長く話しあっていて一番最後にミックスゾーンに現れた秋野選手が振り返ります。「1点目は、ボールの近くにいる人は止めないといけないし、周りにいる人はボールから目を離してはいけない。最終ラインの選手は相手選手が走っているのに気づいたら声を掛け合って、危ないと思ったら自分がついて行く。そういった基本の所をやらないと、すぐに失点につながる。2点目の失点は自分の所。ファールになってもいいのでスライディングで止めなければ。相手に先に触られてしまった」

この試合がどれほど重要で、あとのない試合なのか。チームも選手たちも痛いほど分かっていたはずですが、頭で分かっていても、それをプレーで表現したり、闘志の部分をどれだけ出せるかというところで、立ち上がりから大宮の方が上回っていたように見えました。16分に1点を先行され、そのわずか3分後に2失点目。セットプレーなどのピンチや失点直後にいかに声をかけあい、叱咤し、集中力を高めて、立て直せるか。ピッチの中でどんなコミュニケーションをとって、プレーとして改善の形を示していくのか。チームの調子が良いときは自然とリズムを取り戻せるでしょうが、そうでない時に、いかに自分たちで立て直せるか。若いとかベテランとか年齢は関係なく、ひとりひとりの選手が高め合っていかないと、今日優勝を決めた浦和レッズや、ほかのライバルチームを上回ることはできません。

ただ前半30分、途中出場からピッチに立った増嶋選手が、相手にあった流れを少しずつせき止め、自分たちに引き寄せました。「ディフェンスの部分で相手にあまりプレッシャーを与えられていなかったので、そこを意識しながら入った。自分が気持ちを出したプレーをすることで試合の流れを変えられればと思っていた」。その思いを持っているだけでなく、スライディングなど身を呈したコンタクトプレーでチームメイト、そしてスタジアムのサポーターに向けても示してくれました。

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マスの闘志がイレブンにも乗り移ったかのように、そして「突き進め柏」の大応援を受けて、後半に入ってからようやくレイソルに火が付きました。マスは気持ちだけでなく、冷静にピッチの状況を判断し「J(伊東選手)の所に相手が2人くらい来ると分かっていたので、後ろでサポートではなく、少しインサイドに入ってサポートをすれば、Jがフリーになれると思っていた」。効果的なポジショニングとシンプルな展開で伊東選手をサポートし、そこに武富選手や大津選手が絡んでの攻撃を引き出し、また中央に降りてくる田中選手へのくさびも的確でした。

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秋野選手の言葉通り、逆転を信じて後押ししてくれたサポーターの期待を受けて、大宮ゴールにまさに襲い掛かりました。相手のオウンゴールを誘発させ、何度も「決まった!」と思うようなシュートシーンを作り出しましたが、2点目のゴールを生み出すことはできませんでした。試合開始から徐々にプレーの強度やテンションが上がっていくのが自然なこととは思いますが、それでもビハインドの状況やサポーターの応援を受けてから火が付くのではなく、自分で自分の闘争心に火をつけて相手にぶつかってほしい。サポーターの皆さんもそんな闘いを期待していると思います。

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今日が日立台での今季リーグ最終戦。試合後には選手スタッフ一同によるセレモニーをおこない、3名がごあいさついたしました。
瀧川龍一郎社長「今日はホーム最終戦に多くの皆様にお集まりいただいたにもかかわらず、勝利をお届けできず申し訳ございませんでした。今季はスタートから厳しいシーズンとなり、勝ちきれず最下位に甘んじ、苦しい思いをしました。そこから下平監督がチームを立て直し、選手の頑張りもあり、そして何よりファン・サポーターの皆様にご支援をいただき、何とかここまで来ることができました。本当にありがとうございました。まだ来週に最終節が残っていますが、選手たちは一つでも上の順位をめざして頑張ってくれることと思いますし、我々には、世界への扉、天皇杯が残っております。柏レイソルにますますのご声援をよろしくお願いいたします」

下平隆宏監督「今日は残念な試合を見せてしまい、申し訳ない気持ちで一杯です。シーズン途中で監督となりここまでやってきましたが、最後に何とかACL出場に向けて年間勝点4位を目指してきましたが、本当に悔しい結果です。ただACL出場のために天皇杯があります。そこに向けてトレーニングして、もう一度サポーターの皆さんと日立台で喜びたいと思っていますので、今後とも応援をよろしくお願いします」

大谷秀和キャプテン「今シーズン、開幕からなかなか勝てず、本当に苦しいシーズンになってしまいましたが、皆さんのサポートがあったからこそ、ここまで来られました。柏から世界へ、という言葉通り、来年アジアの舞台で戦えるよう、残りのシーズンと天皇杯を勝ち抜きたいと思います。今シーズン、応援いただきありがとうございました」

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11月3日のリーグ最終戦、アウェイの福岡戦。そして天皇杯は11月12日土曜日、ラウンド16の湘南ベルマーレ戦。天皇杯のチケットは本日発売となっています。今シーズン最後に日立台でのホームゲームになると思います。柏熱地帯の皆さんがいろんな思いを飲み込みながら、最後に贈ってくれた「ACL」の大コール。先週今週の悔しい思いを何とか最後に晴らすような試合を見せてほしいです。

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