2016年12月 2日

追悼

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担当:大重正人

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こんなに悲しく、胸の苦しい出来事は二度と起こってほしくありません。11月28日、コロンビアで事故に遭った航空機に、ブラジルのクラブ「シャペコエンセ」の選手やスタッフが搭乗していたという報道がありました。そのクラブには、2005年にレイソルの10番を背負ってプレーしたクレーベル選手が主将を務め、また神戸を率いたカイオ・ジュニオール監督、元セレッソや千葉のケンぺス選手、元川崎のアルトゥール マイア選手、元京都のチアゴ選手とJリーグ経験者たちが多く在籍していました。レイソルスタッフが現地へ問い合わせたり、マスコミの方々にもご協力をいただきながら情報確認を続けてまいりましたが、現地から伝わってくる内容は大変残念なものとなってしまいました。

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クレーベル選手が在籍していた2005年。当時から残る選手は大谷秀和選手だけでした。沈痛な表情から重い口をひらき、彼を偲びました。「信じられないというのが正直な思いです。これほど大きな事故が起こった時に、自分の知っている人が関わっているなんて想像もしなかったし、ここで一緒に戦い、プレーした選手が被害に遭ってしまったこと、向かっていた大会(コパ・スダメリカーナ)で優勝すれば、スルガ銀行チャンピオンシップで日本に来ていたかもしれないという大一番に臨むはずがこういう結果になってしまい、とても残念でなりません。

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2005年はJ2に降格してしまった苦しい年でしたが、彼の能力は本当に高かったし、本当にまじめで、いい奴という印象でした。なかなか勝てない状況で、国立で強かった浦和相手に勝ったり、自分がクレーベルにクロスを入れたこともすごく覚えています。飛行機に乗る前日には、自分のSNSに『いいね』をしてくれた。本当に今も信じられない。整理がつかないし、みんなが悲しんでいる。言葉にするのが難しいです。自分たちはこの場にいられて、サッカーができることに感謝して戦わないといけない。プレーしたくてもプレーできなかった人たちがいるということを頭に入れてやらなければいけない」

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またクリスティアーノ選手にとってシャペコエンセは、2009年に在籍していた古巣のクラブでした。悲しい知らせを受け、チームミーティングで黙とうをささげ、クリスは涙ながらに言葉を発したそうです。「この大惨事をいまだに信じられません。自分や自分の家族には、フェイスブックでつながっている友人知人がいて、起こった事実を受け入れがたい状況です。より状況が明らかになっていけば、今以上の悲しみ、つらい思いにつつまれる日が来るでしょう。今は搭乗していた方々が安らかに眠られることをただただ祈っています。

シャペコエンセは2009年、4部から3部に昇格したときに自分が在籍していました。それが今や1部まで上り詰めて、非常にオーガナイズされたクラブでした。その選手たちやクラブ関係者とはいまだに深い交流がありましたので、その彼らの家族のことを思うと、悔しい思いしかありません」

下平監督はブラジルで彼の存在に触れた思い出を話してくれました。「2005年当時は自分が強化部スタッフで、直接的なつながりはなかったのですが、2014年にブラジルのコパ・サンパウロにU-19チームとして参加したとき、サントスのクラブ食堂を利用させてもらったのですが、その壁にはクレーベルの本当に大きな写真が張られていました。あらためて凄い選手がレイソルに来てくれたんだなという思いでした」。

改めて、今回の事故により尊い命が失われてしまったことが本当に残念でなりません。このような悲劇が二度と起こらないようにお祈りし、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

チームは、明日のトレーニングマッチに向けて、今週一週間トレーニングを続けてきました。懐かしいというにはいささか早すぎですが、大島康樹選手が日立台に戻ってきました。育成型期限付き移籍で在籍していたカターレ富山の活動が11月末で終了したため、柏でのトレーニングに加わっています。「明日は点取ります!」と早稲田大学戦にも出場予定です。今回はスタジアムでの実施、バックスタンドを開放する予定です。土曜の午後、我々チームも観客の皆さんも、サッカーがここにあるということを噛みしめながら、この試合に加わっていければと思います。