ルヴァン清水戦
担当:大重正人
なんと表現すべきか難しいのですが「今日のチームは本当にまとまっていて、最初から最後まで本当に良く戦った。だからこそ勝ってほしい、勝たせてあげたい」。そんな風に思わせるほどに戦い抜いた、今日のチームでした。去年の4月6日のマリノス戦のチームもそんなチームでした。
「勝つためにとにかく走ること、闘うこと」。下平監督のゲキを受けて今日のメンバーに選ばれた11人。中谷選手と中山選手を除けば、ここまでの出場時間は長くなく、だからこその思いをこの90分にぶつけようと、立ち上がりから全開でした。前半3分の先制点、敵陣深くでFWの大島選手が1対2の状況で球際を粘り、そこをサポートしたDF小池選手がボールを奪うとすぐにクロス。相手のヘディングクリアを待ち構えていたMF手塚選手。迷うことなく得意の左足でミートすると、ゴール右隅へ突き刺さりました。「頭が真っ白になりました」。ニュージーランドでのプレーを経て、レイソルに加入するも、故障などもあり、今日が初めての公式戦のピッチでした。
毎日のように、同期の中山雄太選手と練習後にボールを蹴りあい、キックの感触を確かめ高めようとする姿を見てきました。長短のキックは本当に正確で、でも初の大舞台で、あんなにもきれいなボレーシュートを見せてくれるとは。でもあのシュートは康平にしか蹴れないような高度なものでしょうし、彼だから決められた。そんなファインゴールにイレブンは自分のことのように喜び、今日のチームの結束はさらに高まった気がします。
「大島と中川の2トップがプレッシャーをかけ、それに両サイドの大津とドゥドゥが連動していた」(下平監督)。昨春のような勢いある、躍動する守備が蘇りました。相手のクリアボールに対しても若きDFラインが身体を張って対抗し、そしてセカンドボールや相手のカウンターになりそうなピンチには必ず栗澤選手が表れ、巧みにボールを回収しました。「前線からの守備がハマった。中盤のプレッシャーやセカンドボールへの意識も高くて、そこがポイントだった」と中谷選手がチームメイトを称えました。
良い守備は良い攻撃に。中川選手は「今日はまず全体のボールの運び方が良かったし、だから失う場面も予測できたし、距離感が良かったのですぐに切り替えて守備に行けた」と守備と攻撃のリズムの良さを話しました。両CBからのビルドアップの多くは手塚選手を経由しました。持ち前のボールタッチで相手を外したり、また鋭いターンからさらに攻撃を前進させました。
「この間の川崎戦を見ていて、フロンターレの選手が間でボールを受けるのが上手いと思って、自分もああいったプレーが出来たら、チームの流れが良くなると思っていたので、たくさんボールを受けてさばいてというのを意識していた。寛斗くん(中川)が試合の前からずっと「前を向けば俺がパスコースを作ってあるから、どんどん前に行ってさばいて」と言われていたので、安心してターンすることができた」
今日はアカデミーの同期の、DF中山、MF手塚、FW大島の3人が縦にならび、広すぎず狭すぎず、いい距離感で攻撃が進んでいました。そこに中川選手らアカデミー出身の選手がサポートし、常に多くのパスコースがありました。キャンプの練習試合では厳しいプレッシングを受けた清水のプレッシングを今日はうまく外し、チャンスを作りました。
ただ後半は、相手の選手交代などもあり、守勢に回る時間も長くなりました。高さの面では相手が強力で、特にセットプレーやサイドからのクロスに対して、危険な場面もありました。ただ今日はGK桐畑選手が「前半はピンチもあまりないなかで、ただ、後半どこかで必ずピンチの時間帯も来ると思っていた」とこれまでの経験からしっかりと準備ができていました。決められた!と覚悟するようなヘディングシュートもしっかり弾きだし「落ち着いてプレーして無失点に抑えられてよかった」と間違いなく勝利に大きく貢献した選手のひとりとなりました。ハセのシュートをキリが止める。同期入団の2人がこうして日立台の公式戦で対峙する場面を見られたのも、ある種幸せな瞬間でした。
勝利がまた次の勝利を呼ぶ。今日奮闘した選手と、今日は休養して大きな刺激を受けた選手たちが競争して、そうなるように。今日のすばらしいことが今日で終わらぬように。中2日での連戦で、土曜日はリーグ戦のベガルタ仙台戦です。去年は2戦2敗。ただ相性など言ってはいられません。目の前のライバルに勝つ。それだけです。今日はいきなり立ち上がりから「突き進め柏」の後押しがあり、それが選手たちの心にさらなる炎を燃やしたと思います。来たる土曜日も大きな応援をどうぞよろしくお願いいたします。今日は大変寒い中、ご来場ありがとうございました。
コウヘイ、初出場初ゴール、本当におめでとう!!