新潟戦
担当：大重正人
嬉しい3連勝です。しかし本当に苦しい試合を乗り越え、勝ち得た3連勝になりました。今日は試合前に、新潟と柏でプレーした安英学選手の引退セレモニーがありました。新潟のサポーターの皆さんへのあいさつの合間には「僕の自慢の古巣である柏レイソルの皆さんの前でこのようなセレモニーを行えることを本当に嬉しく思います」という言葉があり、約1000人のレイソルサポーターが詰めかけた黄色いゴール裏から大きな温かい拍手が贈られました。キリから手渡された、2011年のチャンピオンユニフォームをまとい、柏のゴール裏へ向かうと、日立台で何度も何度も歌われたヨンハへの軽快なメロディーが盛大に歌われ、大粒の涙をぬぐうシーンは本当に感動的なシーンでした。インスタグラムにアップしていますので、ぜひご覧ください。
気温23.9度、陽射しが当たるエリア、前半はレイソルの右サイドになりましたが、気温以上のタフなコンディションでした。そんな中、前半立ち上がり、最初のチャンスを迎えました。クリスティアーノ選手が前線で身体を張ってボールキープし、絶好の位置でファウルを受けました。ゴール正面からやや右手の位置でした。「チーム的にああいった場面はいつもクリスが蹴っていて、今回もクリスが蹴るかと思っていた。クリスが獲得したFKでしたし」という下平監督のコメント通り、見守る我々もクリスの右足が火を噴くのかと思っていました。
しかしセットされたボールの脇で、クリスと手塚選手は言葉をかわしていました。「最初はクリスが自分で蹴ると言っていたけれど、そこで譲らずに『蹴らせて』と言って譲ってもらえたので嬉しかった。相手の壁もキーパーもクリスを意識してか、特にキーパーは若干ファーにいたので、自分が蹴って枠に飛ばせば入ると思っていた」。右隅を狙って蹴ったシュートは曲がり落ちて、見事にゴールネットを揺らしました。ヨンハの引退セレモニーの日に、彼の17番を受け継いだコウヘイがゴールを決める。サッカーの神様がいたとしか思えないような出来事でした。
下平監督はコウヘイについての質問を受け、こう返答しました。「プレースキック、CK含めて、キックの精度は良いものを持っていてそこはチームとして大きな武器。本人もそこは磨きをかけていて、練習からやっているので、その成果が表れた。手塚が譲ってもらって、蹴ったということに大きな意味があると思う」。日頃から黙々と個人練習を繰り返し、その成果や精度をトレーニングで発揮し、周りに認められ信頼を勝ち得たからこそ、クリスの心も動いたのかもしれません。飛びあがるコウヘイにみんなが駆け寄り、何よりクリスが心から喜んでいる様子を本当にうれしく思います。
ただ今日は攻撃の主導権をなかなか握れないまま時間が過ぎ、決定的なピンチも数多く作られました。「ホニ選手が本当に速かった」。レイソルの背後へ出されたロングボール。普通ならラインを割ってしまうようなボールでも爆発的なスピードで追いつき、サイドで起点を作られました。今日、本来のプレッシングが発揮できなかったのも、ホニ選手への対応で最終ラインがなかなかラインを上げられず、レイソルの守備陣形がいつもより間延びさせられてしまう状況があったからです。それでも中谷＆中山のCBコンビがクロスをしっかり跳ね返し、輪湖＆小池のSBコンビは何度も何度もスプリントを繰り返して食い下がりました。
そしてGK中村選手がビッグセーブを連発。「基本的には自分の手の届く範囲にボールが来たので、しっかりと対応できたと思う」と淡々としたコメントながら、左サイドからのシュートやバイシクルシュートなど、彼の長いリーチを生かしてのわずかのボールタッチが、勝ち点3を引き寄せました。また後半17分に投入された細貝選手も「セカンドボールを拾って戦えるし、慌てることなく、最後も決定機になるようなパスを出してくれた」と監督が称える大きな働きがありました。
これで3連勝。勝ち点は15ポイントになりました。今日は浦和が敗れたため、首位との勝ち点差は4に縮まり、鹿島やガンバが形成する第2グループの下まで盛り返すことができました。この勢いを日立台へ。水曜はルヴァンカップの磐田戦、土曜はリーグ戦のセレッソ大阪戦です。ゴールデンウィークをさらに上昇のジャンプ台にできるよう、日立台を黄色一色に染めて応援ください。今日もヨンハへの声援から、試合前、試合中、試合後と1000人の心強い声援に胸が熱くなります。本当に毎試合ありがとうございます。今週は2度、日立台で勝利の喜びを分かち合えるよう、最高のゴールデンウィークにしましょう！！
