神戸戦
担当:大重正人
「満員の日立台でたくさんのファン・サポーターが来てくれた中で、今日逆転できたのは間違いなくその力、サポーターの後押しがあっての逆転勝ちだったと思っています」。試合後の会見で、まず下平監督は、今日日立台のすばらしいホームの後押しの雰囲気を作り出し、相手にプレッシャーを与え続けたサポーターの応援に大きな感謝の言葉を伝えました。そして年に一回の「Hitachi day」。黄色一色に埋まったスタンドでは、試合前からコールリードに合わせて、配布されたタオルマフラーを掲げたり、スイングさせたり、これぞ日立台という応援の雰囲気のなか、試合がスタートしました。
しかし立ち上がり。セットプレーからの失点。こぼれ球からの相手のシュート、そのコースには3人のDFが待ち構えていましたが、その間をすり抜けてしまいました。人はいたのに、、、というユアスタの痛恨の失点がよみがってきそうでしたが、選手たちは落ち着いていました。失点した時間が早かったことも、割り切って戦うにはプラスだったかもしれません。
レイソルのセンターバック2人とボランチ2人に対し、ヴィッセルのFW2人とボランチのところ。立ち上がりに比べると、この暑さもあって、相手のプレッシャーよりもレイソルのパスワークが徐々に上回り、主導権を握り始めます。ただ、ネルシーニョ監督の「最後の所でしっかり守れていた」、ディエゴ選手の「有効打がなかった」という言葉通り、決定機はなかなか作りだせない前半でした。
ただ、ボールを動かし続けたことによって「前半が終わった時、ウチの選手の表情を見て、後半も行けると確信した」と下平監督が感じたことは、まさに後半その通りになりました。後半5分、相手の前線のプレスをかいくぐったレイソル、右サイドから小池選手が前の大きなスペースへボールを運ぶと、鮮やかなスルーパスが通ります。これで勝負ありでした。抜け出したクリスから、中央へ丁寧なラストパス。「ディエゴにご飯をごちそうしてもらわないといけないね」というプレゼントパスを、ディエゴがしっかり流し込んで同点。
1-1になってから、相手GKのキムスンギュ選手が超人的なセーブを連発。3本は決定機があったと思います。DAZNのベストセーブに間違いなくランクインするでしょう。数的有利となったレイソルがさらに攻撃の迫力をましていったところでしたが、相当のシュートを打たないと、絶好調のGKキム選手を破れないと思ったところで、それを上回るスーパーゴールが、しかも2本も続きました。クリスらしい右足からのキャノン砲が、キム選手の右手をかすめてネットへ突き刺さりました。チームとしてこだわっていたトランジション(切り替え)のところ、輪湖選手のボールへのアタック、そしてクリスのシュートコースを開けたジャンプは隠れた好プレーでした。
その4分後には、セットプレーの流れから、中谷選手が折り返し、伊東選手の落としを、中山選手が左足一閃。コース的には狭いサイドでしたが、ここしかないというところにインスイングの軌道が突き刺さりました。「身体がイメージ通りに動いてくれた。康平がケガでピッチを出てしまって、康平のためにも何かしてやろうという気持ちがあって、それが良い方向に結びついてくれたので良かった」。他のゲームのゴールはすべて見られていないのですが、クリスのゴールもユウタのゴールも、DAZNのベストゴールに選ばれるにふさわしいスーパーゴールでした。数的有利の状況で2点のリードは非常に大きく、レイソルは落ち着いてゲームをフィニッシュし、5試合ぶりの勝ち点3を獲得。順位を二つ上げて、3位に再浮上しました。
柏熱地帯のお立ち台に立ったクリスティアーノは「トスセン、ガンバリマショウ!!」と勝利の余韻にひたるゴール裏に呼びかけました。来たる戦いはすぐそこ、9日水曜日のサガン鳥栖戦です。今日のようにスタンドを埋め尽くしたサポーターの前で、選手たちがすばらしい戦いを繰り広げられるよう、また一緒に戦ってください。すばらしい応援と、すばらしい勝利をありがとうございました。