ルヴァン仙台戦
担当:大重正人
1-1。内容からすれば妥当なスコアかもしれませんが、でも先制し、試合の残り2割ほどまでリードしていただけに、今日のこの状況の試合に駆けつけてくれたみなさんに勝利を届けられていたら。選手たちの頑張りがとてもよく見えていただけに、あとは勝利さえあえば何よりだった、という口惜しい結果でした。
ただネルシーニョ監督が「前半からとてもインテンシティーの高いゲームができていた」と評したように、攻守ともに積極的でいい試合の入りができました。今日、プロ初先発だった杉井颯選手のアグレッシブさが目立ちました。「最初のプレーでかぶってしまって。石原さんがうまかった」と出鼻を挫かれかけましたが、そこで折れないのが彼のメンタリティーの良さ。ビルドアップ、裏へのフィード、斜めへのくさびなど、同じ左サイドに並んだ手塚選手、宮本選手とアカデミー出身のレフティーたちと共鳴。2トップの瀬川選手、ガブリエル選手との連携もよく、その流れのまま、前半26分に瀬川選手の強烈な左足シュートがゴールネットを射抜きました。
「あの前に2.3回ミドルシュートを打っていたので、切り返したら絶対に抜けるというコースは見えていたのでイメージ通りのゴールだった」。大きなガッツポーズがこの試合への意欲、絶対に結果を残すという気概を示していました。そして久しく遠ざかっていたゴールの喜びがそうさせたのでしょう。ただ結果論ですが、瀬川選手自身も「あとは1本ポストに当ててしまっているので、こういった展開になってしまうのならばやはり1点決めなければならないと思う。勝たせる選手になるには複数得点取らなきゃいけない」と、まだまだ当然満足はできないという思いを残した試合にもなったはずです。
後半途中からは、杉井選手と同じルーキーの山田雄士選手のプロデビューのピッチに立ちました。「自分が思い切ってやればできるかなという気持ちで入った。今日はJ1のチームが相手で、プレッシャーのかけ方だったり、一歩寄せるところや体の当て方はJ2より速いし強いので、今日デビュー戦をそういった相手とできてよかった。日立台でのデビューは、ピッチに入ったらすごく声援が頭の中に入ってきて、こういう感じなんだ、という感覚を初めて知れた。もっと応援されるような選手になれるように頑張りたい」
杉井選手も「足をつってしまった。練習から全力を出していたけど、それがまだまだだったということもわかりました」と、この公式戦のピッチに立って初めて体感すること、経験できたこと、ひとつひとつが若い選手にとってこれからの糧になるものです。今日でルヴァンカップ6試合が終わり、ここからはリーグ戦に全神経を集中し、戦っていける状況になります。改めて33人の選手でトレーニングから全力で競争し、高め合いながら試合に臨み、ひとつの勝利を次の勝利へつなげていく。そういうリーグ戦にしていかなければなりません。次の日曜は大宮戦、今季を占うビッグマッチに向けて、また明日から戦いが始まります。