2019年8月 5日

琉球戦

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担当:大重正人

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「普通に考えたらあれは負けパターンだと思うけれど、そこからしっかりと前半のうちに点を取って逆転できたことはすごくよかった」。染谷選手が振り返ったように、三原選手からのバックパスを奪われ、琉球の鈴木選手が単騎抜け出してGK中村選手との1対1から失点。でも、そうしたアクシデントをカバーできる強さが、今のレイソルにはあります。クロスのロングスローというか距離の出るクイックスローといった方がいいかもしれません。相手の樋口監督も「前節のビデオも見て警戒はしていたんだが」と当然準備はしていたと思われますが、それでもミカが相手GKと競り合い、こぼれ球に反応した瀬川選手がゴールへ蹴りこむ。まるでデジャヴのようなゴールで同点に。

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そこから3分後のセットプレーのチャンス。「強いチームなら、ここで畳みかけられるはず」と思いながら見守っていましたが、まさにその通りになりました。江坂選手がキッカーのクリスに駆け寄って耳打ちし、FKは変化をつけたトリックプレー。ペナルティーエリアでキープした鎌田選手から優しい落としが古賀選手のもとへ。「自分は確実に(シュートを)打てる体勢でいたので、次郎さんが良い形で落としてくれた。ふかさずにというのは意識したので枠に入ってよかった」。トレーニングで準備してきたことを全員が意識して遂行したからこそのゴールでした。

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ただ、前半から琉球のパスワーク、レイソルの中盤への鋭いくさび、そこからのスルーやフリックなど、なかなか掴まえどころが定まらない試合でした。ネルシーニョ監督のハーフタイムの指示は非常に熱のこもった叱咤激励でした。「琉球さんはボールを動かす能力に優れたチームで、前半は効率よくボールを奪うことができず、一歩一歩後手を踏むような状態だった。ボールを奪うことを急ぎすぎ、なかなか我々が当初狙っていたところでボールを奪えず、ペースを握ることができなかった。」そこで江坂選手とクリスティアーノ選手のポジションを入れ替え、琉球の左サイドからの攻撃に対する策を講じ、4-4-2のライン間をコンパクトにするように徹底します。

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53分、大きなクリアをおさめたミカからの鋭い折り返しを江坂選手が見事なダイレクトシュート。さらに4分後、今度は江坂選手のあざやかな浮き球に抜け出したクリスがGKの鼻先をかすめるようにプッシュ。この2点で勝負の大勢は大きく引き寄せることができました。ただ琉球の巧みで果敢なパスアタックは最後まで続き、レイソルは守備に追われながらカウンターを狙う展開でした。ただそこで大味になることなく、全員が守備意識高く、最後までプレーを続けました。瀬川選手のプレスの出足の鋭さは点差が離れても続き、また残り10分ぐらいに自陣でのスローインのピンチでは、ロングスローに対してミカがしっかりとペナルティーエリアまで戻り、守備のポジションをまもりました。攻撃も守備も全員が役割を果たしたからこその勝利であり、8連勝です。

移籍加入間もない川口尚紀選手はいきなりの先発抜擢。久々の出場で足をつらせながら76分まで右サイドを守りました。「(先発出場は)驚いたけれど、ここに来た以上は少しでも早く試合に出たいという気持ちで来ていた。今日出たメンバーとは一度もやっていない中だったのでまだまだ分からない部分もあって入りは難しかった。自分の良さを出すことは意識して(試合に)入ったけれど、思うようなプレーもあまりできなかった。まだまだチームのやり方や決まり事を理解できていないのでそれを早く理解して、自分のコンディションも含めてもっと上げていかなければいけないと思った。これからもっともっと良いプレーができるようにしていければと思う」。非常に難しい状況での出場でしたが、これはとても大きなチャンスで、それをさらに生かせるように、これから着実にフィットしていってくれるはずです。大きな期待をこめて川口選手へのご声援もよろしくお願いします。

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8連勝のフェスタ。今日はスマホのライトが蛍のように輝く「光のロレンソ」。ヤマト→ボーイズオンリー→ロレンソと移っていく勝利のフェスタ、選手とサポーターの一体感。ずっといつまでも浸っていたい、これ以上ない喜びの時間でした。ただ次の戦いはすぐにやってきます。ひとつひとつの積み重ねが連なって、連勝になっているだけ。今日の様に目の前に全力で勝ちに行くこと。次節対戦の山口も非常にボールムーブに長けたチームです。良い守備から良い攻撃へ。次の土曜も日立台での応援をよろしくお願いいたします。