2020年7月19日

湘南戦

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担当:大重正人

今日の試合を振り返る前に、まずご来場いただいた2645人の皆様のご協力により、無事に試合を終えられたことに心から感謝いたします。本当にありがとうございました。きのうの日記でも触れましたが、いろいろなルール、細かなお願いをさせて頂いた中で、整列や距離感、消毒をはじめ、そして何より選手たちを後押しする拍手がとても清らかに響きわたっていました。

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喜びの拍手、励ましの拍手、PKをもらえなかったプレーに「レフェリー、ハンドーーー!!」と叫ぶヒシャに対しても拍手が起きました。その拍手が「ヒシャ、君の気持ちは十分わかるよ。サポーターも同じ気持ちだよ」というふうに感じられて、通常なら殺伐とした雰囲気が流れるような場面すら、拍手のおかげで次のプレーに切り替えられたような気がします。レイソルサポーターがいなかった最初の2試合、等々力でのアウェイゲームは、あるはずのサポートがない異様な試合だったと今あらためて思います。その3試合とはまったく違う後押しをいただいて、選手たちは思い切り躍動してくれました。

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試合前の選手紹介では、ベルマーレの、茨田選手、中川選手、レイソルU-18出身の指宿選手にも温かい拍手が贈られました。バラとヒロトに関してはレイソルのトップチームの一員として心強い存在でした。でも敵にしてみると、やはり、とてつもなく嫌な選手、こちらを苦しめる手強い選手でした。ヒロトの追いかけまくるチェイシングやボールを引き出す動き、ボールを左右に散らす屈指のパサー。そしてイブは終了間際のパワープレーで危険な場面を作られました。

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ただそうした彼らの優れた特徴を消すべく、バラには江坂選手を監視役としてマークさせ、簡単にボールを触れないように徹底しました。立ち上がりからエンジン全開だったヒロトの激しいプレッシングには、すばやいボール回しとセーフティーな選択、そして大谷選手が抜群のポジショニングで対抗。レイソルのCB二枚にプレスにいきたい湘南の2トップのちょうど間でポジションをとり、プレスに行ったらタニに通されてしまう、プレスに行くに行けないという状況を作り出しました。レイソルのビルドアップでも、大谷選手がボールを持ってふと止まったりすると、相手も思わず足が止まってプレスに行けない。その間を通す見事なパス。ポジショニングやあえて止まることで、相手の走りを止める。

湘南らしいアグレッシブで、前に人数をかけるスタイルに対し、レイソルは繋ぐだけでなく、的確に空いたスペースをみつけ、オルンガ選手が走り込み、ボールを流し込む。そのキープに江坂選手がサポートし、さらに両サイドから追い越していく動き。今日の前半はチーム全体が攻守にわたってすばらしく、良い守備から良い攻撃が繰り返される45分間でした。

ネルシーニョ監督です。「今まで出場機会に飢えていた選手たちがスタートからゲームに入ったが、そういった選手たちがしっかりとパーソナリティを出し良いテンポでゲームに入った。なにより闘う姿勢を彼らがピッチの中でいかんなく発揮してくれたところに今日の勝敗の分け目があったと見ている。今日これまで出場機会を与えられていなかった選手たちが、一丸となっていい準備をしてくれた結果が今日の勝利につながったと思う」

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今日は高橋祐治選手と大南選手という新しいCBコンビでした。まずは二人がその高い身長をいかした空中戦の強さを発揮し、クロスへの強さも目を見張るものがありました。GK中村航輔選手は、セーブはもちろん、そのコーチングで存在感を存分に見せてくれました。古巣相手だった神谷選手は出場した試合でほぼ得点に関わる結果を残し続けていて、今日もすばらしいクロスからの2アシスト。そして今日はミカが前半からスペースへ走り込み、そして左足を思い切り振るシーンが何度もあって、今日はやってくれるだろうという予感通りの2ゴール。エースの仕事を果たしてくれました。

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今日のヒーローインタビューは、やっぱりミカかなと思っていたところ「仲間選手でお願いします」という中継のディレクターさん。こういう試合はミカに指名が入ることが多いので、意外な気持ちと、でも今日のハヤトはヒーローにふさわしい活躍で、その思いが伝わったことが嬉しくもありました。最近の試合後半はオンライン会見の準備で、会見場でDAZNを見ることが多いのですが、解説の水沼さんが「今日の仲間は本当にすばらしい」と大きく讃えていただいていたので、このリクエストをいただいたのかなと思いました。

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この場面もチームの大ピンチを救う、献身的なすばらしい帰陣でした。「公式戦は闘いというイメージがあり、球際やセカンドボール、一対一に負けないといった部分をもっと出せればチームが良くなると思っていたので、そこを自分がやろうと思って試合に臨んだ」。ハードワークが自分のストロングという仲間選手ですが、そこを大事にしながら、攻撃でも積極的な仕掛けと、そしてキレキレの動きで相手を翻弄しました。チーム2点目のPKゲットの切れ込みは見事でした。

そして後半、胸トラップからの見事なボレーを叩き込みました。「ミカやアタルにすごくマークが付いていて、最後は優太が自分を選択してパスをくれて、フリーで受けることができた。しっかりと(ボール)止めて自分の蹴りやすいところで蹴るということを意識して、すごく落ち着いてシュートを打てた」。ものすごいガッツポーズで、日立台の空に向かって喜びを爆発させました。中学1年から高校3年までレイソルアカデミーで育ち、10年かけて成長し、戻ってきた夢の舞台でついに決めた初ゴールでした。

「まだ人数は少ないけど、日立台で観客がいるなかでプレーできる喜びというのはものすごいことだと感じた。すごく楽しかったし、楽しんだ上で勝利を飾れたことはすごく嬉しかった。ゴールはもちろん狙っていたが、チームの勝利のために守備も攻撃も走ろうと思っていた結果がゴールにつながり、なおさら日立台という場所で、すごく嬉しかった」

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前半のすばらしかった出来を考えれば、後半の失点シーン、またセットプレーの守備など改善しなければいけない場面はありますが、それでも3連敗のあとのこの一勝は、自信を取り戻すためにとてつもなく大きなもので、今季の新加入選手たちが躍動して、さあここからもう一度上がっていけるという期待感を持てる試合になりました。

次は中3日。強敵レッズと、アウェイ埼スタという厳しい舞台ですが、一戦一戦強くなって、乗り越えていってほしいと思います。今日は勝利を届けてくれた選手とチームとサポーターの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

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