2020年8月 2日

名古屋戦

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担当:大重正人

まずこの試合開催に際して、グランパスの皆様には細部に渡るまでいろいろな対策を準備して、運営くださいました。広報としてご相談、協議させていただいたこともご丁寧に対応くださいましたことも合わせて、誠にありがとうございました。

互いに厳しいディフェンスが徹底されている両チームの戦い。特にボランチから奥、DFラインにかけてのところで、そこより奥への進入機会を許さず、0−0の我慢の時間が長く続きました。グランパスの1トップ、金崎選手がサイドの裏へ走り込んでボールを収めたり、またゴール正面で持てば、臆することなくシュートを放ってくるところ、またクロスに飛び込んで際どいヘディングを放ったシーンを思い返せば、特に前半はなかなか主導権を握れない時間が続きました。ただ、今日CBコンビを組んだ山下&大南コンビが空中戦の強さ、また簡単には振り向かせないタイトなマークで、ゲームをイーブンのまま進めます。

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0−0のままタイムアップになるような試合内容だったかもしれません。ただこの拮抗した試合、勝敗の差を分けたポイントは攻撃から守備へ、守備から攻撃への意識だったと思います。後半26分、右サイドで相手を背にしてボールを受けた戸嶋選手が相手の激しいマークを受け、ボールを失いかけます。しかしそこからの切り替えが素晴らしかった。身を投げ出して相手の逆襲を防ぎます。相手はボールを奪い返して前に出ようとした所での再奪取。映像を見返すと、ミカをマークしていた中谷選手も数歩前に進んだ所でのネガティブトランジション。ピッチ脇で写真を撮りながら、これはチャンスになる、と確信しました。

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ヒシャルジソン選手がダイレクトで江坂選手へ。「ターン、ターン」という大谷選手の声がDAZN中継でもはっきり聞き取れました。その声を受けながら振り向いた江坂選手は、常に探しているオルンガ選手の元へ、相手DFの背後へアーリークロスを蹴り込みます。これ以上ないボールでしたがショートバウンドになった簡単ではないボールでもありました。それでもオルンガ選手が足裏でボールを捉えて、ゴールへとボールを蹴り込みました。「得点シーンはチームでも裏のスペースが空いているということを話していて、江坂から素晴らしいボールが来た。ボールが飛んでいる間にGKの位置を確認して、瞬時の判断で足の裏でシュートを放った」

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ネルシーニョ監督は、この中断明けから常々「今年は総力戦になる」という話を何度も繰り返してきました。最近の連勝の立役者でもある、高橋祐治選手と神谷選手を欠きながらも、この機を得た実績十分の山下選手と瀬川選手がいつもと変わらぬインテンシティでハードに戦ってくれました。瀬川選手からのバトンを受けた戸嶋選手は、名古屋のサイドバックの攻撃参加を食い止め、また決勝点の起点にもなりました。「必ずしも5人の交代枠全てを使う必要はない」と話してきたネルシーニョ監督ですが、今日は選手たちのコンディションを見極めながらベンチの5人を起用しました。

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山崎選手は今季初のメンバー入り、そしてすぐさま起用されました。1点をリードし、アディショナルを加えて15分ほどの時間をどう凌ぐのか。相手のビルドアップにプレスをかけ、またレイソルが跳ね返したクリアボールを巧みなトラップやドリブルでキープ。最後の猛攻で前に出たいグランパスの攻撃回数を減らし、最終ラインへの負担を軽減しました。アディショナルタイムには、疲労の見える選手に代えて、一気の3枚替え。今日の監督は5人の交代枠全てを使い、古賀選手をセンターバックに回したり、それぞれの個性や特色を全て生かす総力戦で、虎の子の1点を守り切って、4連勝を飾りました。

ネルシーニョ監督です。「両者ともに戦術的にもしっかり分析した中で準備をしてきたという内容だった。攻撃のチャンスをなかなかうまく作れず非常に拮抗していた分、カウンターのシーンもそれほど見られなかった。忍耐強く固く守備から入って攻撃のチャンスをうかがうという前半だった。忍耐強く選手たちがプレーしれくれた分、終盤にミカの得点のシーンがあった。こういったゲームをできたというのは我々としては大きな成果だったと思う」

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チームはその日のうちに帰路について、柏へ戻りました。水曜日にはルヴァンカップの再開です。また新たに出場のチャンスを掴む選手もいるかもしれません。今のチームは出た選手が活躍するという良いサイクルが続いています。この良い流れを、さらに加速させる8月に!

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