2020年10月 8日

ルヴァン決勝進出

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担当:大重正人

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「監督から、技術ではなく気持ちだと言われた」。試合後のオンライン会見で大谷キャプテンがそう明かした通り、ファイナルに行きたいという思い、気迫、執念で相手に勝ったのだと思います。これだけ攻め込まれながら、最後の最後まで守り切れたのは、11人と4人の交代選手、さらに3人のリザーブとチームスタッフ、そしてスタジアムには来られなくともレイソルを信じて応援してくださったみなさんの気持ちがあったからこそです。7年ぶりのカップ戦決勝戦に勝ち進みました。

立ち上がりから攻め込まれ、ヘディングシュートがレイソルのゴールマウスを叩くピンチもあったなか、11分にセットプレーのチャンスをものにします。CKを蹴ったクリスのふわりとしたボールが、大外から飛び込んでいく選手の軌道が見えて、決まる!と思った通りでした。山下選手にとってレイソルでの嬉しい初ゴールが、値千金の決勝ゴールになりました。「クリスが復帰してから、練習の中でも(セットプレーから)良いゴールが生まれていたのでチャンスはあるかなと思っていた。案の定良いボールが来て、決めることができてよかった。自分の1点で決勝に行けるというのは非常に嬉しく思います」。

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試合速報ツイッターでゴール時にアップするGIF画像を用意しています。笹原広報が「いつも前線の選手は事前に準備しているんですけど、今日は山下選手の画像を用意していたんです。何かゴールを決めそうな気がして」。勝つときというのは、何か予感めいたことがふと降りてくるのかもしれません。

ただ、ここからが本当の戦いでした。これまでの今季2度の対戦でマリノスのクオリティの高さは身をもって体感していた選手たち。先日、大谷選手が取材の中で「マリノスと対戦したチームは、みんな速いテンポでゲームをさせられる。じっくり運びたいフロンターレですら、いつもより少し速くなっている」。ボールを動かすスピードやテンポ、出した選手がさらに違うスペースを取りに行き、それに連動してもっと多くの選手がスピードを上げて動く。そして休まない、リスタートが非常に速い。このテンポで90分間やり続けられるのがマリノスの凄さであり強みです。そうして疲弊してやられたのが、9月27日の試合でした。今日も5-4-1の守備陣形でスペースを埋めながら、どんどん動いてくるマリノスの選手を捕まえるという難しいタスクに直面しましたが、全員が足を動かし、身を挺し、声を張り上げ、競り合って、相手の波状攻撃を食い止め続けました。

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その努力を、完封という形で勝利に結びつけたのは、GKキムスンギュ選手の数えきれないほどのビッグセーブでした。あれだけのチャンスを作り、シュートを放った相手側からすれば、どうして決まらないんだと思うしかないほど、神がかっていました。でも当の本人は自分のプレーに徹しただけ、とばかりにいつも通り沈着冷静なコメントでした。でもそれが逆に頼もしくもあります。「個人的に決勝に行きたい気持ちが非常に強かったし、チームとしても決勝に行くための準備を続けてきた中、いい結果を得られてとても嬉しく思います。今日はラインコントロールを注意して戦おうとDF陣と話していたし、高いラインを保ったときは相手も狙ってくるので、裏へのボールへの対応や、相手の前線の動きを後ろからしっかりコーチングして、みんなといい守備ができたと思う。」

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「彼の今日の役割・活躍というのは決してサプライズではない」。監督がスンギュの評価を求められて発した言葉。彼ほどの選手なら、今日のプレーはスタンダードだ、監督もスンギュも表情を大きく変えることなく、当たり前のように今日を振り返ったことがとても印象的でした。

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2013年、改装前最後のナビスコカップで優勝したシーズンを最後に、国立競技場が改修に入り、今年あたらしく生まれ変わりました。旧国立最後のリーグカップに優勝し、新しい国立での幕開けの決勝戦で優勝のチャンスを握っているのは、我々柏レイソルだけです。レイソルにしかできないことを果たせるチャンス。ファイナリストとして過ごせるこの1か月は、本当に誇らしく、嬉しいことです。さっそく明日、Jリーグと対戦相手のFC東京と、ファイナルに向けてのオンラインミーティングがあります。Jリーグでたった2チームしか参加できないことに、我々が臨んでいることを誇りに感じます。新国立ですばらしい景色が見られるように、また明日からリーグ戦の戦いに戻ります。