浦和戦
立ち上がりの失点から立ち直って3ゴールで逆転。アディショナルタイムを守り切れば、横浜FCvs湘南が引き分けに終わっていて、グループ首位に立てていたところで、連続失点。勝ち点1を挙げて、最終節に望みはつないだものの、悔しさと失意のドローに終わりました。
ただ監督はこう振り返りました。「非常に残念な結果ではあるが、今日のゲームで失ったものよりも得たもののほうが多いと見ている。今日勝てた試合を引き分けに持ち込まれたことについては満足していないが、今シーズン戦いを進めていく上でチームとしては底上げにつながるいい試合だったと見ている」。代表経験者が並んだ今日のレッズイレブンを相手に、3ゴールを挙げて、ここからコンディションをさらに上げていきたいブラジル人選手と、若手選手の奮闘があり、ここまでの試合を見せられたことは大きな収穫と言えるのではないでしょうか。
ハーフタイムのことでした。「前半の戦い方が同じように続けることができれば必ずこの状況は好転する。焦れずにしっかりとやっていこう」。まさに監督の言葉通りだと思いました。9分の失点以降も、ボールを保持して前進し、3バックからのくさびが入り、またドッジ&三原のダブルボランチが展開、サイドからのしかけや、ペドロ選手のポストプレーから人数をかけて、ペナルティエリアに侵入する場面が多数ありました。シュートを打つところか、周りの味方を使うか。そこの正しい選択や思い切りがあれば、ゴールできそうな雰囲気に満ちていました。
ペドロ選手が負傷した場面、いつも監督は熱く激しい口調で選手を鼓舞しますが、あそこまでエキサイトすることは珍しいことです。ですが、あの熱い姿勢から一転して、ハーフタイムには選手たちに自信を持たせるように語り掛けると、選手たちはそれに応えました。
ペドロ選手に代わって入ったアンジェロッティ選手に待望の来日初ゴールが生まれました。しかも2本も。1点目は左サイドからのセットプレーに合わせたヘディングシュート、2点目は仲間選手が獲得したPKを落ち着いて流し込みました。「前線の3つのポジションはどこでもできるという長所はあるが、本職はセンターフォワードだと思っている。自分としてはボールをじっと待つだけではなく、動きながら周りと連携してチームに貢献したい。今日2得点を挙げ、3点目にも絡めたことは嬉しく思う」。
この活躍に監督は「彼もこれから実戦を積んで更にコンディションを上げていかないといけない若手の筆頭だと思う」と厳しくさらなる向上を求めるとともに、「彼が入ってからは前線でボールを引き出してからタメを作り、仲間、サヴィオ、細谷との連携が非常によくみられた。元々アタッカーの選手で点の取れる選手なので、今後トップの位置での活躍を期待したい。アンジェロッティ、ペドロ、呉屋の3人でトップのポジション争いが過熱してくるので、その中でしっかりと自分の役割を果たすことでこのポジション争いを勝ち取ってほしいと伝えた」。
また、ドッジ選手は初めてのフル出場。ビルドアップに絡みながら、前を向いて小刻みなドリブルでキープしたり、またトップに入れる縦パスから何度もチャンスを作りだしました。170cmに満たないサイズではありますが、体をいれてボールを奪うタックルも随所に見せてくれました。「今日の試合は久しぶりの90分間の出場だったが、良いコンディションで試合に臨むことができた。ネルシーニョ監督からは自由にプレーさせてもらえている。ボールを奪った時の攻撃に転じる場面を数多く作り出していきたいし、もっともっと前線の選手と絡むプレーをしたり、ゲームメイクの部分をさらに実践していけるようにしたい。なるべく早く日本のサッカーに順応して、皆さんの期待に応えたい」。
このCグループは、次の最終節まで全チームにチャンスがあります。レイソルは5月19日の湘南戦に勝てばプレーオフステージに進めます。一戦必勝の姿勢は変わりなく、勝利をめざして戦うのみです。今日は引き分けに終わりましたが、これまでなかなか遠かったゴールが3つも生まれ、「次につながる試合になった」と言えるように、次のアビスパ戦での結果を期待したいと思います。風雨強い試合の中、スタジアムへのご来場、ご声援、ありがとうございました。