2023年4月10日

鹿島戦

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担当:大重正人

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「僕だけじゃなくて、みんなが良かったんですよ。みんなが」
今日のヒーローの一人、松本健太選手に取材を待つ間に話しかけると、そうチームメイトを称えました。

「サポーターの皆さんももう本当に今日がすごく大事だという分かっていたと思いますし、試合前のウォームアップで最初ピッチに入った時からすごい力をもらいました。それから一番最初にロッカーに戻って、その後みんなが戻ってきて、そこで本当に今日に懸ける強い思いを感じていました」

正直、マツケンの先発は一番の驚きでした。ただこの日この時のために準備してきた彼と、そしてこの好調時を見逃さず抜擢したコーチングスタッフの決断が勝利の一因となりました。

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今日はお互いに縦に速いサッカーで、かつ球際激しく闘うチーム同士。そんなマッチングも良かったのかもしれません。レイソルがやるべきこと、やらなければならないところで、絶対に負けてはいけない。この前の新潟戦で思い切りに欠けていた姿が嘘のように、今日のレイソルは前に前にという気持ちが見えました。

細谷&フロートの2トップがダイナミックなランニングで相手DFを引っ張ったり下げさせたりすることで、相手DFのクリアをレイソルの中盤が前向きに拾って、そこからさらに攻撃のターンへ。そんな好循環から、前半の細谷選手の先制ゴールが生まれました。

鹿島の攻撃は、やはり迫力がありました。ただセカンドボールを回収する戸嶋&椎橋のボランチコンビや、サイドの上下動を惜しみなく繰り返したせ仙頭選手とサヴィオ選手。三丸選手は、昨年末のサッカーダイジェストのアンケートで印象深い選手に挙げたスピードスター藤井選手に食らいつき、土屋選手は球際で一歩も引かない強さがありました。勝利の瞬間、足を吊らせていました。

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マツケンが「悠悟と太陽はすごく仲がいいじゃないですか。その二人の信頼関係もあると思うし、今日はピッチで出ていたと思います」。鈴木選手と知念選手を狙ってきた相手のロングボールに対して、激しい当たりを厭わず戦い続けたコンビ。特に鈴木選手と抑え続けた古賀選手は素晴らしいディフェンスだったと思います。ピッチに座り込んだその背中の4番から、その大きな重圧が見えてくるようでした。

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いろんな方に応援いただき、支えられて柏レイソルがあります。お返しや還元の方法は多種あるかもしれませんが、やっぱり勝利に勝るものはありません。タイムアップの瞬間の歓声、飛び上がる選手たち、笑顔のハイタッチ。この瞬間のためにレイソルに関わる人たちが日立台に集い、共に戦ってきました。前半途中、メインスタンドのコンコースを移動していたところ、聞き覚えのあるデッカい声で名前を呼ばれて振り返ると、キリでした。クリアソン新宿の国立戦で大きな成功を収めて、尚且つ日立台に来てくれていました。そうやって応援してくれるOBもいます。今日、進めずにいたスタートラインからようやく一歩踏み出すことができました。本当にありがとうございました。

最後に、ネルシーニョ監督の会見の言葉で閉めさせて頂きます。
「世界中で誰でもどこでも、どんな職種をされている方でも、結果が出ない仕事について納得のいく人はいないと思うが、これまで勝てなかった期間というのは、チームにおいてフラストレーションの溜まる状況だった。ただその中でも選手たちは諦めることなく今まで自分たちがやってきたこと、やろうとしていることを信じてついてきてくれた。たかが一勝と言われるとそうかもしれないが、チームとしてまずこの一勝に到達できたことが、我々にとっては非常に意味のあること。シーズンこれからまだまだ続くので、これをただの一勝で終わらせないためにも続けて勝ち点を積めるように、継続してやっていかないといけないと、改めて身の引き締まる思い。今我々の置かれている順位に対して、誰一人納得している選手もクラブ関係者もいないので、だからこそ今まで以上に自分たちのやってきたことを継続して、信じてやっていきたい」