天皇杯決勝進出
担当:大重正人
「このホームで戦えたことは我々にとって大きなアドバンテージになりました」。試合後の会見で、井原監督は今日も最高の後押しを続けてくれたファン・サポーターの皆さんへ感謝を述べました。試合前、キーパーたちへの盛大な迎え入れ。キックオフ前、美しく黄色と黒に染め分けされたバックスタンド、柏熱地帯、そしてメインスタンド。そして90分を通して、選手たちの頑張りと一体となった応援が間違いなく快勝の要因のひとつとなりました。今日も大きな大きなサポートをありがとうございました。
レイソルは、ここ数戦のレイソルらしい戦いが最初から最後までできた試合でした。ロアッソの大木監督からは「レイソルのプレッシャーが早かった」というコメントがありました。最終ラインからのビルドアップ、中盤のつなぎ、数人のグループで狭い局面を少ないタッチ数で打開していくパスワークは見事でした。
ただレイソルも相手のストロングに対して、自分たちの持ち味である前線からのプレッシング、チームでニ度追い三度追いを続け、球際でジャストで行けるときにはハードにアタック。ラストパスで決定機を作らせる前にボールを奪い返していました。前線のプレスバックも光りました、前半40分ぐらい、山田康太選手が自陣のゴールラインまで戻ってのボールカット。「少し運ばれたからって慌てるような雰囲気はなかったので、そこはしっかり守備をして出ていくところは、相手もやりづらそうだった」個人でもチーム全体でも浸透している守備意識の高さが、ここ数戦の、そして今日の勝利を導いています。
ゴールの時間帯も、これ以上ない展開でした。立ち上がり9分の先制点、前半終了間際のセットプレー、片山選手が押し込んで2-0。3点目を早く取れればという後半立ち上がり、9分にサヴィオ選手のシュートが細谷選手に当たってのゴール。そして94分、ダメ押しとなる高嶺選手のアウトにかかったすばらしいボレーシュート。欲しい時間帯に着実に加点し、相手の反撃の芽をしっかり潰しながらゲームを進めることができました。
(戸嶋選手)「先制点は、セカンドボールが良い所にこぼれてきた。常に狙っていたので、それを味方に繋げられたのがよかった。(守備から攻撃への)切り替えの局面でゴール前のスペースが空いているのは分かっていた。マオが当てるだけ、というクロスを上げてくれたので彼に感謝しています。ボールをもつ相手に対して、井原さんからの前からいくという指示と、今週の練習からはめどころ、奪いどころという共通認識をもっていたので、チームとして表現できてよかった」
(サヴィオ選手)「ルヴァンの決勝にはケガでピッチに立てなかったので、自分にとってはピッチに立てるという決勝の機会は今回が初めてですし、自分のキャリアにおいても毎回訪れることではないのでなんとしてもタイトルを獲りたい。ただファイナルの前にまだリーグ戦があるので、残りの試合、状況が決まり切っていない中で勝ち点を少しでも積み重ねていきたいです」
この決勝進出という状況は本当に嬉しいし、クラブの歴史にも残るひとつの大きな出来事です。ただサヴィオのいう通り、まずはリーグ戦残り5試合でJ1残留を決めなければなりません。準々決勝後からこの日記で、次のラウンドをよりよい状態で迎えるためにもリーグ戦で結果を残さないと、と繰り返してきました。チーム、選手たちはそのサイクルを実現してきてくれました。次は12月9日のファイナル、相手は川崎フロンターレに決まりました。この後のリーグ戦は20日金曜にアウェイ浦和戦、そして29日日曜にホームで川崎戦です。一戦必勝、負けられない戦いが続きます。引き続きの応援をどうぞよろしくお願いいたします。今日もいい夜をお過ごしください。