2010年1月30日

胎動

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担当:河原 正明

 「ここ(日立台)での2週間、とても順調にいいトレーニングができた」ネルシーニョ監督は満足げな表情で穏やかに記者団に向けて話しました。
15日に始動したスケジュールも今日で一段落。その区切りとして練習試合が組まれました。相手は大学生ですが、出場する選手はそれぞれ思いを抱いて試合に臨んでいました。

 古賀選手は、昨年10月のサテライトJリーグ、対大宮戦以来約4ヶ月ぶりの実戦に。「(35分x2本なので)体力的には苦ではなかった。ブランクがあるので今日はいろんな感覚、頭と身体の反応を確かめながらプレーしました。グアムでの練習とゲームで高めていければ」と満足はしていませんがケガなく次のステップに進めることにホッとしているようでした。
 藏川選手も右サイドバックでフル出場。後半25分、機を見て右サイドを駆け上がると鋭いクロスを一閃!工藤選手の得点をアシストし、攻守に存在感を見せ付けました。
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 両ベテランの今季に懸ける思いが若手に伝わったのか、この日は昨季加入の選手が活躍を見せました。
 2得点の武富選手。1点目は田中選手のシュートのこぼれ球を角度のないところから冷静に決め、後半立ち上がりにも、相手中央をFWとのコンビで崩し2点目をゲット。「3点目も取れたんですけど・・・」とループシュートで狙ったゴールが不発に終わったことを悔しがっていました。
 
 工藤選手もしっかりと得点を挙げました。上述の藏川選手のクロスに身体を投げ出して頭でゴール!「(クリーンヒットではないので)ボールに触ったけどモヤモヤしています。グアムではスッキリと点を決めたい」と口も軽やかでした。それでも「今は時間が短い中で結果を出すことでしか評価されないので。スタメンでないのは悔しい。その気持ちを忘れずにグアムでもしっかりと結果を残したい」と強気で前向きな姿勢を見せてくれました。
 この二人だけでなく、仙石選手も何度もゴール前に顔を出していました。1点目は武富選手のシュートも素晴らしかったのですが、すぐ側にはボランチの位置から上がった仙石選手がいました。
全員に共通しているのが「ゴールにこだわる」こと。武富選手はこう話します。「ブラジル留学から帰ってきて、一番必要と感じたのは『ゴールへの執着心』。やっぱりゴールを決めないとダメなんです。今年はゴールにこだわりたい」。その言葉通り1点目のシーンでもパスではなく、シュートを打ったと。一方の仙石選手も「パスをくれれば決めたのに」と渇望している気持ちを吐露する。

 「去年とは違う」。そう確信します。そうでないと生き残れないと。新加入の林選手や田中選手もゴール近くで起点となり得点機を演出したり、何度もチャンスを作り、自らもシュートを放っていました。エフライン リンタロウ選手も惜しいシーンもありましたが、しっかりとアピールをしている。どの選手も結果への欲求が高いのです。
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 監督は今日の試合を「キツイ練習を2週間やってきた最後での試合にしては、悪くない」と評価は留めました。しかし前述のように「全員揃っていい形、いい流れでキャンプに入れることが嬉しい。このキャンプで基礎練習やコンディションを上げるのはもちろんだが、実戦を通じて自分たちのサッカーを磨いていく。目指すは開幕戦だ」と監督自身もここまでは充実した15日だったようです。
 グアムキャンプは多くの練習試合が予定されています。どの選手、ポジションでも確約された椅子はありません。激しく鎬を削ることになります。さらにそこに、「若手からの突き上げ」があればさらにチーム全体の層が厚くなる。長丁場を戦うためには全員力が必要になります。このグアムキャンプ、特に今日試合に出場した若手選手は、いいイメージと自信をもって臨めるのではないでしょうか。非常に楽しみな14日間になりそうです。

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 気付くと日付が変わりました。先ほど怒涛のようにデイリーレイソルの更新をしましたが、この時期は広報だけでなく全部署が年間で一番忙しい時期。ついつい後回しにしてきたことが多すぎて、いつも深夜に作業するハメに。その結果、「河原さん、荷物できましたか?」練習試合中、宮本主務がいぶかしげに訊ねてくる。しまった、明後日からグアムに出発するのに準備が何もできていない・・・一度自宅に帰り、ようやく21時30分過ぎにクラブハウスに私物の入ったバッグを届けました。申し訳ないです。

 その時間まだクラブハウスでは木村・假谷両エキップほかスタッフが大量の荷物と格闘を。假谷エキップは全てのボールの空気抜き作業を。GK,フィールド用全て合わせると50個近くあるボール全ての空気圧を下げる大変な作業です。「大変っすけど、グアムについてボールがパンクして使えないのはありえないんで」淡々とこなしていますが、抜きすぎずに(一度に空気を入れる個数が多いと、エアコンプレッサーがオーバーヒートする!)ほど良くが職人の腕の見せ所です。
玄関に山積みとなった荷物も明日にはトラックに載せられ、一足先に成田で選手を待ち構えます。

 さて、今年のグアムキャンプは私、河原が帯同します。ここ数年では最長となる14日間の海外キャンプ。個人的には2週間連続で広報日記を書く事がかなりプレッシャーですが(苦笑)「選手と会えなくて寂しい」という方にも満足できるようリポートしてきます。明日、チームはオフとなります。広報日記もお休みします。では明後日から2週間、よろしくお付き合いください。


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PS.寒い中、多くのお客様にお越しいただきましてありがとうございました!