勝ち点1
担当:大重正人
自然とエキサイティングしてしまう、思わず声が出るようなそんなゲームでした。レイソルもFC東京も、攻撃ばかりでなく守備でも常にアグレッシブで、球際の激しさ、ゴール前の攻防、チャンスもピンチもあって、第3者として点数をつけるなら、1-1というスコア数以上に評価の高い試合だったと思います。もちろんレイソルからすれば、完全に勝ちゲームの流れでした。後半からのサポーター皆さんが発する日立台の圧力は間違いなく相手を飲み込んでいたでしょうし、ワグネル選手のゴール、そして一人退場になってからの時間帯。勝てた試合、勝たなければいけなかった試合。でも選手たちに対して、厳しい言葉なんて、ひとつも出てきません。
ネルシーニョ監督も「後半の最後の雰囲気では、勝点1はもったいない、足りないという気持ちもこみ上げてくるのですが、経験上この勝点1が(シーズン終盤に)ものを言ってくるということは何度もありましたので、今日のこの勝点1も大事に捉えたいと思います」と受け止めています。事実、この勝ち点1で、浦和に並ぶ勝ち点で3位に順位を上げたのですから、価値のあるポイントに間違いありません。
今日のメンバー表を見て、驚かれた方も多いでしょう。出場停止だった橋本選手の代わりに入った渡部選手。試合が始まるとそのまま左サイドバックのポジションに入りました。「昨日、左サイドバックだと言われました」と本当にサプライズな大抜擢でした。対面の相手は石川直宏選手。日本屈指のスピードドリブラーに対し「とにかく1対1で石川直さんのカットインにはやられないように集中していた」という言葉通り、走りあいでも食い下がります。
自慢のフィジカルコンタクトでは大きな身体でブラジル選手も何度も潰し、左サイドをがっちり守り抜きました。今季序盤は試合出場もありましたが、このところベンチメンバーから漏れることもあり、いろんな思いがあったと思います。このチャンスを絶対に逃さない!気迫のこもったプレーで、やわらかな左足のキック、そして左サイドバックという新境地を見出した大きな試合になりました。
そして試合の流れを大きく変えたのは、ネットバイアーノ選手でした。187cmの大きな肉体。ハイボールへの競り合いは求められて当然の役割でしょうが、それ以外のところが本当にすごかった。相手のビルドアップを懸命に追いかけるチェイシング、態勢がくずれながらも長い足を延ばして何とかマイボールにしたいという執念。厳しいパスでもやわらかなトラップでボールを収め、そしてチャンスには利き足の左足はもちろん、右でも強烈なシュートを放ちました。「とにかくゴールを狙い、チームのリズムを変えて、汗をかいて走るところは頑張って、チームの勝利のためにという気持ちだった」
チームメイトも口をそろえて彼のプレーを称えました。ワグネル選手は「身体を張って、ボールを奪って、キープする。力強さはもちろん、チャンスメイクやフィニッシュの形も持っている。ポジショニングも良かった」。藤田選手も「前線のまん中に構えて、守備もしてくれる。放り込んでも勝ってくれるし、チームにとって苦しい時に新しい大きなオプションになると思う」。チームメイト、そしてサポーター皆さんの心をつかんだのは、諦めず頑張り続ける執念と闘志でしょう。あとはゴール!皆と喜べる日は近いのではないでしょうか。
さあラストスパートを懸ける後半戦。明日10時から、アソシエイツ先行のチケット販売がスタートします。9月15日の札幌戦から、ホーム最終戦の11月24日の神戸戦まで、6試合の発売となります。一般発売は19日からです。シーズンが終わる頃、いったいどんな展開が待ち受けているのか、お好みの席でのご観戦はいまからゲットしてください!今日は本当に熱く激しく一体感のあるすばらしい応援をありがとうございました。後半戦もどうぞよろしくお願いいたします。