2012年10月27日

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担当:大重正人

悲しさ、無念さ、怒り...。最後まで席を立つことなく、応援いただいていたサポーターの皆さんには、いろいろな感情を抱かせてしまったことと思います。それでも試合後に、あいさつにいった選手たちにブーイングの声はありませんでした。こんな状況にもかかわらず、辛抱強く耐えているサポーター。爆発しそうになる感情が押しとどまった方がいたしたら、背番号17のプレーが目に色濃く焼きついたからでしょう。

後半アディショナルタイム、水野選手が左サイドからしかけ、2人の間を割るようなドリブル突進から転倒。しかし主審のホイッスルはありませんでした。返す刀、相手のドリブルに立ちはだかったのは、安英学選手でした。前節の広島戦と同じように身体を張ったディフェンスでぶつかり、ボールを奪ったもののホイッスルが鳴ってファウル。水野選手へのプレーに対する判定か、また自ら自信を持って見舞ったタックルへの判定か。普段は本当に温厚で優しいヨンハが主審に食ってかかりました。レッドカードも覚悟するような勢いでした。辛くも警告にとどまりました。「コースを読んでいたんです。でもカードをもらったことは反省しないといけないですね(苦笑)」。

0-4の状況。それでもヨンハはいつもと同じように戦っていました。いや、いつもとはまた違う、すごく感情的な姿でした。「レイソルはこんなチームじゃない。ホームでこんな負け方は耐えがたい。勝てなくてもワンパンチ返したかった」。終了間際、そんな気迫はさらに力を増し、相手に深いスライディングタックル。「その前のプレーがあったから、笛が鳴らなかったかもしれない」というギリギリのプレーでした。

そのボールを受けたネット選手も、ゴールを諦めていませんでした。キーパーの位置を見て、狙い澄ましたループシュート。そして、ヨンハはネットに力強く抱きつきました。ヨンハにとっては、ひとつひとつのプレー、1秒1秒への思いが、あの時間帯ピッチ上の誰よりも重かった。

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「あの1点が、次のガンバ戦につながれば」。苦しいのはレイソルだけはありません。他の試合も激しく拮抗し、ことごとくドロー。順位は2つ下げて6位ですが、3位の浦和とは勝ち点4差です。おそらく最後は得失点差が順位を分けることになるでしょう。ヨンハのタックル、ネットのロングシュート。執念で奪ったこのゴールを、残り4試合につなげなければいけません。選手たちは、気持ちはもちろん、プレーで示さなければいけません。幸運にも望みはまだ残っています。あらためて御声援をどうぞよろしくお願いいたします。

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最後に、明日28日、「アフラック」と「アフラック全国アソシエイツ会」による社会貢献活動として、がん遺児奨学基金の募金活動が行われます。レイソルからは工藤選手、茨田選手、川浪選手が参加予定です。13時30分から14時30分まで、柏駅南口へうかがいますので、どうぞお立ち寄り、ご協力ください!