甲府とドロー
担当:大重正人
「ただ前半と後半、まったく違う顔を見せてしまった。大きく反省しないといけない」。
吉田監督の会見での言葉通り、2-0の前半と、0-2の後半。まったく違う結果に変わり、レイソルは4連勝と、今回の勝ち点3を得ることができませんでした。前半は立ち上がりのピンチをしのぐと、まさにお手本のようなカウンター2発。2本ともエデルソン選手が起点となり、猛然とゴール前に詰めていたクリスティアーノ選手、そして工藤選手という、決めるべき人が決めた、文句なしの前半でした。
しかし後半の立ち上がり、注意しなければならない時間帯での失点。「2点という至ってセーフティーな点差を得ながら、後半立ち上がりにもっとも警戒していたバレー選手への長いボール、長いボール自体は問題ないが、そこからのセカンドボールのところ、最も注意しないといけないところで拾われた。阿部君のシュート自体はすばらしいシュートだったが、そのセカンドボールへの集中力、オーガナイズ、そのたった5分間のところで勢いを渡してしまうという、本当に幼い、立ち上がりを見せてしまった。あれがすべてだったと思います」(吉田監督)
勢いを増すヴァンフォーレの攻撃に、レイソルは自陣に構える時間が長くなり、ピッチの中で何が起こっていたのか。試合後のミックスゾーンで選手たちが振り返りました。
工藤選手「受け身になってしまって、簡単にロングボールを蹴らせてしまった。そこでバレーにボールが入ってしまい、シャドーの選手や裏への抜け出しをさせてしまうなど相手の術中にハマってしまった」
栗澤選手「ロングボールに対して、セカンドボールや帰りが遅くなった。後半、相手が割りきってきたなかで、ラインが下がってしまって、より自分達のゴールから近い所でのプレーが増えた。疲れている後半でそこのポジショニングが少しずつ甘くなっていった。前半はバレーをペナルティーエリアのなかに入れていない。後半は何度か入れてしまって、そこは後ろのラインの問題か、もっとプレスアップするかという問題なので、そこがバラバラになってしまっていたと思う」
武富選手「後半は相手のロングボールが収まるようになって、どんどんラインを下げてしまった。結局、俺らも前に出られなくなってしまって、自分達で自滅してしまった。タニ君がいないなかで、3人で中盤の位置を確認し合って、センターバックにラインを上げてもらうなら上げてもらうとか、もっと声を出す必要があった。失点のない試合では声が出ていたので、ちょっとした声でも大事なのかと思う」
鈴木選手「後半、相手が5トップ気味にしてきた。中盤が流動的に動くようになり、ラインが低くなった。なるべくコンパクトを保つように最終ラインとボランチの距離はそこまで悪くなかった。ただそうなる時に失点はしたくなかった。最後、中への対応と楔のところを無理やり入れてくるチームなので、そこが怖くてボランチが前にいけなかった。自分達がボールを持つ時はボールを持たせてくれるチームなので、その時間帯になるまでは5トップに耐える時間帯が必要だったなかでの失点は痛かった」
前線、中盤、最終ラインとそれぞれのポジションで考え、何とか状況を打開しようとしていたものの、相手の勢いを止められず、最終的には同点に追いつかれ、懸命の反撃も一歩実らず、再度の勝ち越しはなりませんでした。クリスは「自分のゴールと勝利を交換できるなら、そうしたいよ」。前半の結果が良かった分、クリスを始めとする選手、スタッフ、そしてサポーターの皆さんも、非常に大きな悔しさが募ったことと思います。
「結果は悔しいが、この勝ち点1はポジティブに、鹿島、広島という上位陣に食いついていけるところにいるので、もう一度修正して、次に向かいたい」。(吉田監督)
次のリーグ戦は9月11日のアウェイ浦和戦。その前にナビスコカップ準々決勝があります。ヴィッセル神戸戦のホーム&アウェイ。9月2日(水)は日立台、6日(日)のアウェイゲーム。(アウェイは「20時開始、神戸ユニバー競技場」に変更になっています)。ヴィッセルは昨日の試合、なんと7ゴールを挙げて大勝。勢いをもって日立台に乗り込んできます。中2日の難しいコンディションですが、しっかりと準備し、迎撃しなければいけません。
雨の中、早くから日立台にお越しいただいて、タイムアップの笛が鳴るまで、鳴ってからも応援を続けてくれたサポーターのため。そしてサプライヤーとしてレイソルを支えてくださっているヨネックスの皆さんへ、次こそ勝利を。皆さんのサポートに応える結果をお届けできるよう、また明日からチームは始動します。今日も大きな大きな応援をありがとうございました。