PK失敗を乗り越えて
担当:大重正人
ここのところ、レフェリングのあやもあって、厳しい試合を強いられてきたレイソルイレブン。今日は「監督から前からしかけていこうと言って送り出された」と皆が口を揃えたように、前半からこれまでの数試合とは見違えるような積極的な戦いを見せました。その勢いが相手のファウルを誘い、PKのチャンスを得ます。しかし、愛媛GK山本選手のファインセーブが連発。幸運なやり直しのチャンスすらゴールに決まらない。3回続けてPKが外れるなんて、見たことがありません。流れの悪さはここまで深刻なのか......と悲しむよりも逆に笑うしかないぐらいほどの絶望感でした。
しかし選手たちは違いました。「数的有利にはなったんだから、それをプラスに考え、あせらずにやれば絶対にチャンスは来ると思っていた(近藤選手)」「PKは相手のキーパーも良かった。工藤とホジェルが切り替えてプレーできるようにサポートを心がけた。二人ともしっかり立て直してくれた(大谷選手)」と後半45分に臨みました。
すると後半から投入された林選手が、大きな仕事をやってのけました。「自分がヒーローになる!」という強い気持ちを早々にプレーで示しました。左クロスをダイレクトで合わせるボレーシュート。そしてまたも左クロスを相手と競り合いながら豪快なヘディングシュート。遠くから見ていて、両方とも「そのシュートが入っちゃうの??」とびっくりするような難しいシュート。愛媛側のメディアの方も言葉を失うような驚きの2発でした。
PKを決められなかったホジェル選手にも来日初ゴール。そのゴールをアシストしたのは村上選手、アルセウ選手はハードタックルと大きな展開力でゲームを作り、酒井選手もジョジマール選手との激しい1対1にも一歩も譲りませんでした。林選手をはじめ、これまで出場機会の少なかった選手たちが、4試合連続未勝利と今季最大の危機で、ためていた力を爆発させました。
しかし彼らは勝利の余韻もそこそこに、「来週1週間も練習からアピールして、甲府戦に何とか出場したい」とすぐそこにある次の競争のことにすぐに頭が切り替わっています。4試合連続未勝利からの大きな一勝、控えメンバーの台頭......チームがまた一つ成長できるかどうかという時です。そんなヴァンフォーレ戦、ぜひとも日立台を満員にして彼らを応援してください。今日も遠く愛媛まで足を運んでいただいた皆様、遠く柏から祈るような気持ちで応援いただいた皆様、本当にありがとうございました!