2011年10月22日

経験

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担当:大重正人

7月13日のホームゲーム、23対17とシュート打ちあった試合を思い返し、今日もそんな試合になるのかと思っていました。ですが幕が開いてみると、前半は「サンフレッチェもあまり前に出てこなかった(大谷選手)」という慎重な立ち上がりとなりました。そして後半、どこからでも常にゴール、シュートの意識が高い、李選手らしさが表れたロングシュートが、逆風ですっと吸い込まれるようにレイソルのゴールに収まりました。

ネルシーニョ監督が、北嶋選手に続き、水野選手と茨田選手を一気に投入し、「レイソルのスタンダード」を取り戻しに動きます。それまでは攻め込みながらも敵陣でパスミスが続いていましたが、水野選手の積極的な仕掛けからのスルーパスからジョルジ選手のミドルシュート!これはGK西川選手のファインセーブに遭ったものの、「まだまだ行ける!」と確信させてくれるプレーでした。増嶋選手をはじめチームメイトの多くが「コウキが流れを変えてくれた」と称えていました。

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得意のロングスローを大谷選手が競ったボール、これをジョルジ選手が「ゴール前に敵も味方もたくさんいて、とにかくミートをこころがけた」というボレーシュート。そして北嶋選手へのアシストクロス。試合後にVTRで見ると、非常に難しいテクニカルなゴールでした。レアンドロ選手がいれば、サイドで起点になって彼をサポートするような役回りに徹していますが、エースがいなければ自らがどんどんピッチの中央を入りこんで、黄金の左足を振り抜く。自分がいかにプレーするのがチームにとって最善なのかを十分に理解し、そして何度もタイトルを獲得してきた経験。この優勝争いの緊張のなかで、より凄みを感じさせてくれます。

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「ジョルジのキックが無回転だったから、詰めればチャンスがあるって思っていました」。長年の経験に裏打ちされた予感は、そのとおりとなり、勝利を決定づける3点目のゴールネットを揺らしました。「追われるプレッシャーはない。一戦一戦勝つために戦うだけ。あと4試合、終わった時点で一番上に立っていたい」。ヒーローのひとりである水野選手も「いや、やっぱキタジがすごいよ」とその頼もしさを感じての一言がとても印象的でした。

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その後も守るだけでなく、機を見てゴールを狙いに行ったレイソル。大谷選手は相手ボールを奪ってのカウンター、50メートル近く独走してゴールへ迫ります。「前を見たらキタジさんが走っていて、自分が行くよりもキタジさんにハットトリックの3点目を獲らせたいって思って。ファーからニアに飛び込んでくるのを待ってたんだけど、でも最後つぶされてしまって。やっぱ自分で行くべきだったかなぁ......そういうところが自分はFW向きじゃないって思いました(笑)。これ書いていて下さいね?」とおどけるタニ。やはり北嶋選手は周りの選手にも計り知れないチカラを与え続けてくれます。

次は11月3日の新潟戦、レイソルはまた大きな挑戦へ向かって進んでいきます。今日も遠く広島まで、そしてテレビや速報を通しての御声援、ありがとうございました。

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