2012年12月29日

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担当:大重正人

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まるで、今日を最後に、現役を終えるような光景にも見えます。
こんなすばらしい勝利の日に、こんなにも悔し涙がこぼれてしまうなんて、何と言ってよいかわかりません。

工藤選手は、今日は絶対にイエローカードをもらわないよう、いつも以上に注意していたはずです。アディショナルタイムの遅延行為によるイエローカード。絶対にそうじゃない!という確信が彼の中にあったんでしょう。だからこそ、勝利の喜びを洗い流してしまうような涙があふれてしまったんだと思います。

0-2から大逆転した準決勝の大宮戦。決勝ゴールを決めた喜びが爆発するあまり、ユニフォームを脱いで、右手で振り回しながら、サポーターのもとへ猛ダッシュしました。「バカなことをしやがって。だからこういうことになるんだよ」。そんなふうに思われた方もいることでしょう。でも、そうやって気持ちを前面に押し出したスタイルこそが、工藤壮人の最大最強の持ち味です。胸のエンブレムを拳で叩いたり、今日のように思い切り涙を流したり。そういった感情や内面をさらけだして、持っているパーソナリティをすべて出し切って戦える選手だから、ここまで成長できたのだと思います。そんな工藤ちゃんが大好きだし、サポーター皆さんも同じ気持ちではないでしょうか。

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彼自身が一番悲しく、悔しい思いをしています。今日の苦い経験を必ず次の成長の糧とするでしょう。ロッカールームでは涙をこぼし、仲間のひとりひとりと握手し、自分がピッチに立てない決勝戦への思いを託しました。田中選手が「アイツのために優勝しないといけない」と話しましたが、チームをより強く結束させる合言葉になりました。そして今季限りでチームを離れる選手、そしてスタッフと戦える最後の日。それを聖地国立での元日ファイナルで迎えられるのは、これ以上ないことです。

そして対戦相手は、ガンバ大阪。4年前、延長戦の末に敗れた相手。あの日、善戦こそしましたが、ガンバとの歴然とした差がありました。それ以来、ガンバに勝てない時代が長く続き、そしてようやく今季、ガンバと3勝1分と互角以上の戦いができました。この4年間の成長を証明する最高の舞台に。30日、31日、そして元日へ。残り3日間、最後まで戦い抜きましょう。そして勝利をこの手につかみとりましょう!そして、もう一度アジアへ!

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