A Happy Happy New Year!!
担当:河原 正明
アジアへの扉を自らの手で開く。試合直前、掲げられたコレオグラフィー。"KASHIWA"の文字から赤く反転する「ASIA」の4文字。「あれを見てゾクっとした」(大谷選手)レイソルサポーターの思い、願いが青空の下に広がり、選手たちを送り出す。その光景は今でも目に焼きついています。そして90分後、その願いは叶いました。
本日、新しい年がスタートしました。2013年、最初の日本サッカー界の公式戦、そして日本で一番の伝統と権威のある天皇杯を獲得することができました。全てのレイソルサポーター、そしてご支援、ご声援いただきました皆様におめでとうございます!
年は明けても長い長いシーズンの最後の試合。ここまで残ったのはガンバ大阪とレイソルの2チーム。2011シーズンは優勝争いを繰り広げ、今シーズンは共にアジアの戦いを経験した両チームだけに、ガンバのゴール裏には「7度目のアジアへ!」と横断幕が掲げられ、互いに優勝してACL出場へという目標を持ってここまで上り詰めてきました。
そうした中、我々は4年前とは違う落ち着きを持って試合に挑めたと思います。「あの時はイシさん(石崎信弘 元監督)を決勝に連れてくることだけでいっぱいだった。今はJリーグ優勝、そしてFCWCにACLを経験している。全員がまたアジアに行くんだと強い気持ちを持っている。」(大谷選手)「J2,J1で連続優勝して、1試合1試合に向ける責任の重さや重要性を経験しているのが大きな違い。ネルシーニョ監督になってから試合で何をしたら良いかを判って、ずっとやってきた。いつもどおりに臨めると思う」(栗澤選手)。
ただ、試合そのものは準決勝・横浜F・マリノス戦と大きく異なりました。開始早々にチャンスをつくりゴールまで迫るも、その後は相手のポゼッションが上回り、特にレイソルの左サイドでのコンビネーションから再三の攻撃を受けてしまい、徐々に押し返されていきます。
そんな中指揮官が下した決断は「1枚目のカードを切る」ことでした。前半32分、先発出場の水野選手に代わり田中選手を投入、沢選手を1列下げて、相手DF、ボランチのパスの出所を抑えにかかります。
運動量が多い田中選手が入り、再びつばぜり合いとなった前半35分、澤選手が惜しいミドルシュートで得たコーナーキック。"熱い左足"を持つ男・ジョルジワグネル選手が放ったスピードボールをドンピシャのタイミングで叩き込んだのは渡部選手。お見事なクリーンヒットでした!
負傷の近藤選手に代わって今大会初先発したナベが、この大一番ででっかい仕事をやってくれました!吼えるナベに歓喜の表情で駆け寄るチームメイト。「人生一番の大舞台で、いままでで最高のゴールを決めることができました!狙っていたし、気持ちよかったです。気持ちで決めたゴール、決勝まで連れてきてくれた仲間に感謝しています」。本人いわく「おいしいところをもっていきました」が、まさに値千金の先制弾でした。
迎えたハーフタイム。「もっと戦わないとタイトルは取れないぞ!」と監督からのハッパもかかりましたが、準々決勝大宮戦の後半からは優勝をした2011シーズンのように"vitoria"としかいいようのない雰囲気が選手、ロッカールーム、そしてベンチに戻ってきていました。
そして後半45分間、粘り強くレイソルイレブンは戦い続けいました。苦しい場面でも全員でカラダを張った守備で相手の攻撃を遮断し続けます。「今年一番キツイ練習をしてきたのは俺たちだ。だから絶対に負けるわけがない!」ハーフタイムに菅野選手が発した言葉が頭に残っていました。ピンチもありましたが、試合が進むにつれて相手の足も少しずつ停滞し始めてきます。
「スゲが言った通り。相手の大丈夫、大丈夫」と何度も自分自身に言い聞かせ続けて、時間はやがてアディショナルタイムに。レイソル選手たちは最後まで自信を失わずに戦い続け、そして試合終了のホイッスルが高らかに鳴り響きました!
表彰式に上がったイレブン。そして入れ違いに降りてきたガンバイレブン。4年前と逆の結果になりましたが、あの時見た光景を忘れずにきたこと、そして今日の喜びの光景を忘れることなくいたいと思います。
その後の歓喜のカップレイズにウィンニングラン。そこからは、あっという間の時間でした。選手・スタッフたちと喜びを分かち合い、そしてサポーターの皆さんたちと柏に戻ってきて報告会ができる幸せ。何とも言えない時間でした。そして今日でチームを去る仲間たちともお別れをしました。ヨンハ、コウキ、シジマール・・・本当にみんなと一緒に戦ってこれて良かったです。誰一人かけてもこの優勝はなかったと思います。今は感謝の気持ちしかありません。ありがとう!!
試合を終えて数時間がたち、ようやく新年を迎えることができました。最高の形で迎えた新しい年のスタート!ですが、その前に戦士たちもしばし休息を取らせていただきます。クラブも7日(月)まで休業日とさせていただきます。それでは皆さん、今年も良い年にしましょう!