2013年2月28日

平常心

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担当:河原 正明

 ようやく今季初勝利。それも完全アウェイの中国・貴州で掴むことができました。2013シーズンのAFCチャンピオンズリーグ グループステージ第1戦 貴州人和戦は前半アディショナルタイムにクレオ選手があげた虎の子の1点を守り切って貴重な勝ち点3をゲットできました。

 今日の貴州は朝から濃霧で視界はほぼゼロ。そのため昨日広州での浦和戦を取材して移動する予定だったメディアの飛行機は、遅延でほぼ時間通りに到着せず。実はサポーター同様メディアも集団行動を要請されていたので、試合前はその対応に追われてバタバタしていました...。しかし、キックオフ15分後には最後の一団が到着し何とか日本向けの映像、写真、記事を届けることができました。

    試合は前半からピッチに苦しみます。前々日、前日練習でもわかっていたのですが、湿度が高い貴州の芝は常に濡れていて、しかも粘土質で柔らかいのです。クレオ選手は「広州もそうだったけど、ここもやわらかい。スタジアムの方が2か月試合をやっていないから幾分いいかも」と言っていましたが、TV中継をご覧になられた方はお気づきかと思いますが、試合開始直後から芝がめくれ続けます。イレギュラーも何度もあり、特に守備陣は神経を使ったと思います。監督が試合後話していましたが「レイソルらしいつないでいくサッカー」を実現するには少々厳しいピッチコンディションでもありました。そして柔らかい芝は「踏ん張りが利かず、ボールを持っても2歩目が出ない。非常に疲れた(大谷選手)」と選手の体力も奪っていったのです。

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 それでも、そんな芝に「慣れていた」クレオ選手が決勝点を奪ったのもうなずけます。もちろんワグネル選手のクロスも素晴らしかったですが、中国リーグで長くプレーしてきた経験が活きました。そして期待のストライカーに待望のレイソル初得点も生まれ二重の喜びになりました!

 ハーフタイム、「相手のカウンターに注意すること。リスクをもって仕掛けてくるし、ロングボールも多用してくる」と指示を与え、守備陣形を若干修正して相手の攻撃に備えました。

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 一方、ホームチームの貴州もホームゲームは絶対に負けられないと圧力をかけてきました。なにしろ今日の試合は勝つと500万元(約8,000万円!)、引き分けで200万元(約3,200万円)のビッグボーナスが支払われるのですから、必死です。

 高まる相手の攻撃に、監督は中盤で2手打ちます。疲れの見えた茨田選手に変えて栗澤選手、そして工藤選手に変えて谷口選手を送り込みます。栗澤選手は守備に重きを置いたプレーで相手の攻撃の芽を摘み続けます。そして谷口選手は相手の10番・ミシモビッチ選手をマークするようにと指示を受けると、持ち味の厳しいチェックを繰り返し自由にプレーさせません。守備陣も近藤、増嶋、キム、鈴木選手とGK菅野選手を中心にゴールを割らせませんでした。そして2度のFKのピンチもクロスバーにも助けられ、タイムアップとなったのでした。

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 菅野選手は「今日はいかに平常心で挑めるかだった」と話していましたが、今回の遠征はチームも早くから中国入りしてきたこと、ホテルも快適で、気候も予想の範囲で極端ではなかったことなど"普段仕様"にできたおかげだとも言っていました。

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 そして昨年のACLラウンド16の蔚山戦の経験も生きたことでしょう。終盤のロングボール一辺倒に屈した悔しい思い。あの時流した悔し涙が糧となり、今日の結果を生んだと思います。なによりもアウェイで奪った勝ち点3は、予選突破に大きなアドバンテージとなることでしょう。

 今日も平日の海外でのゲームにも関わらず柏からもサポーターが訪れてくれました。昨年も広州の大アウェー同様、人数は少なくとも素晴らしい応援をしていただき気持ちで相手に負けることはありませんでした。本当に心強かったです。改めてお礼申し上げます。

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 そして日本でTVの前で観戦いただいた皆様にも。チームは明日の朝、貴州を出発。広州を経由して成田向かいます。再びの長旅ですが、日曜日のJリーグ開幕戦に向けてしっかりと体を休めて、金曜日から柏で練習です。なお移動日につき、明日の広報日記はお休みとさせていただきます。では。