2013年3月 3日

終わりなき旅の始まり

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担当:大重正人

それにしても、これまで見たことない、もの凄いゴールでした。
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相手の背後へのパスに抜け出すと、ボールを前に蹴り出し、GKをかわして独走。追ってきたおなじみの中澤選手と激しく競り合いながらもさらに突進。ペナルティエリアまで、身体をぶつけながら転倒。それでも先に立ち上がってゴールを目指すと、ボールがほんの少しだけ早くゴールラインを割っていました。

相手選手たちがレフェリーを取り囲んだように、難しい判定ではあったと思いますが、FWとDFがフィフティフィフティでボディコンタクトした結果、とジャッジされたのでしょう。クレオ選手、キックオフ早々に、やわらかなタッチから相手をかわしての先制ゴールに続き、今度は強靭すぎるフィジカルを武器にした、破壊的なゴールでした。

それに続いたのは、工藤選手。浅いラインを保っていたDFラインのリーダー近藤選手がすばらしいパスカットから、そのままドリブルカウンター。オフサイドラインで駆け引きする右サイドの工藤選手へ、絶妙なスルーパス。トラップが決まり、ペナルティエリアへ。確信しました。「決まった」と。

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工藤選手が最も得意なコース。右サイドからの強烈な一発でGKの脇を抜きました。「ここまで、いい結果を残せなかった。サポーターの皆さんからの『背番号9』への期待をすごく感じています。今日はゴールという結果を見せられて、皆さんに少しは信頼してもらえたかもしれない」。結果が出なければ、叩いてもらってもいい。それほどまでの覚悟を持って、新しい背番号9の重さを背負っていました。もしかしたら必要以上の重圧になってしまいそうな心配もはらんでいましたが、まずはこの日立台の大声援をパワーに変えて、ストライカーらしい仕事を果たしてくれました。

キャンプ途中から別メニューだった橋本和選手が、全治3か月の負傷となりました。「右脛骨遷延性骨折」あまり聞きなれない難しい診断名ですが、右スネに慢性的な痛みがあって、改めての診断結果を受けて、きちんと治して早く復帰したいという橋本選手自身の思いもあって、手術による治療を決断しました。Jリーグを見渡しても彼ほどのサイズとテクニック、攻守にわたって左サイドで活躍できるサイドバックはいないと思います。

しかし今は、増嶋選手が新しいポジションながら、それを感じさせないすばらしい活躍を見せています。今日は、相手の3トップに対して4バックでスタートし、そして2トップに変わってからは3バックへ。個人能力と戦術理解の高い選手がそろっているからこそ、ネルシーニョ監督が適切な作戦を授け、勝利に導くことができる。練習試合から数えて今季4試合目、着実に前進していることを、みなさんも感じ取ったことでしょう。実は試合後「歯がグラグラしている」と教えてくれました。屈強なFWとの争いで、そんな負傷を負っていながらも、最後までファイティングスピリットあふれる守備でチームを勝利に導きました。強い精神と柔軟な知性。本当に頼もしい選手です。

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そんなマスが、最後に一言。「ゼロのままだったら、首位だったのに」。得失点は同じながら、ゴール数の差で、マリノスが1位、2位がレイソルとなりました。まだ1節終わったばかりですが、今日の結果に当然満足することなく、さらに貪欲な向上心を持ち続けている選手たち。しかし、初戦で勝ち点3を獲ったクラブは、18クラブ中たった5つだけです。すばらしいスタートには変わりありません。さあ、終わりなき旅の始まりです。

明日はオフではありません。リカバー組と、それ以外の選手は水戸とのトレーニングマッチです。月曜日は施設休館日のため見学はできませんが、また広報日記でその模様をお伝えします。

今日はチケット完売。柏熱地帯の応援がバックスタンドやメインスタンドに波及し、選手たちのゴールが生まれ、さらにスタンドとピッチの一体感が本当に凄かったです。選手たちが何よりその熱いサポートに深く感謝しています。今シーズンも応援の程、どうぞよろしくお願いいたします。今日はすばらしい「日立台」を、みなさんありがとうございました!

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