柏から世界へ
担当:大重正人
今日はまず「早朝からのキックオフ」でした。
連日お伝えしている、U-18チームが大活躍中のダラスカップ。日本時間で今朝の7時ぐらいのキックオフでしたが、すばらしい技術の発達で、いまやインターネットできれいな画質のLIVE映像が見られ、日本からリアルタイムで応援できる時代になりました。そのサッカーは、対戦相手が大柄な外国人選手に変わっても、先日の八千代高校戦と同じように、日立台でいつも見せてくれる「ボールを支配して、試合の主導権を握るサッカー」そのものでした。
ピッチを広く使い、サイドチェンジやくさびのパスを変幻自在に使い分け、この日は左サイドを徹底的に崩しました。宮澤選手のヘディング、大島選手のワンタッチゴール、さらに大島選手は「Great Skill Oshima」と実況の方に絶賛された、鮮やかな切り返しからのトーキック気味のシュート。最後は宮澤選手が冷静に流し込んで、試合は4-0のこれぞ「快勝」でした。
舞台は、ダラスの「コットンボールスタジアム」。1994年のワールドカップアメリカ大会で使用されたビッグスタジアムです。イタリアのバッジオ選手が決勝でPKを外し「PKを外せるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」という悲劇の名言が印象的な大会。実はこのスタジアムで、ブルガリアのストイチコフ、韓国のホン・ミョンボ、ファン・ソンホンという、レイソルのレジェンド選手たちがゴールを挙げています。さらに来たる水曜、ACLで対戦する水原三星のソ・ジョンウォン監督までも。
何とも不思議なことに、レイソルとの縁とゆかりが深いスタジアム。それから19年後にレイソルの若き選手たちがこれほどの活躍を見せるなんて、ドラマチック過ぎます。もちろんファイナルもコットンボール、明後日にイングランドのフルハムと対戦です。動画配信などのお知らせがありましたら、またお伝えいたします。
そしてトップチームも、この日立台で3ゴールを挙げる勝利を見せてくれました。「決めるべき人が決めてくれた」と大谷選手が賛辞を贈る、工藤&田中の国産ストライカーコンビ。そのおぜん立てをしたのは、DF藤田優人選手でした。ここ2試合で右サイドバックとして出色のプレーを見せていましたが、この日は逆側の左サイドバック。しかしまったく反対のプレーエリア、右足から左足に持ち替えて、そしてプレーのクオリティは変わらずすばらしかった。
工藤選手の1点目、左サイドから中へ切れ込む積極的なアタック。いったんカットされながらものすごい勢いで相手に襲いかかり、そのこぼれ球を工藤選手が左隅へ鮮やかに切れ込みました。田中選手の決勝ゴールは、藤田選手が左サイド1対1を突破しての正確なクロスから、ヘディングによるものでした。2人は「サブ組で一緒だったときのプレーを出せた」とまったく同じ言葉を発しました。出場機会に恵まれなくとも、自分の置かれた状況に向き合い、自身を高めるトレーニングに全力を注いでいたからこそ、今日の成功が得られたはずです。
しかし、今日の勝利で満足している選手は誰もいません。4月にかけてここから続く8連戦。スタートダッシュに食らいつきたいリーグ戦と、毎試合が決勝戦のようなACL。選手たちは勝利の余韻も早々にスタジアムを後にして休息。クラブハウスではエキップもメディカルスタッフも韓国遠征に向けての、荷物の梱包に手いっぱいでした。とにかく今日は「実りの4月」にできるよう、まずはいいスタートが切れた一日となりました。明日は9時からの練習、その後韓国へむけて出発します。