指宿キャンプ10日目
担当:大重正人
指宿での2試合目、カターレ富山を迎えてのトレーニングマッチ。1日の鹿屋体大戦はほぼ全選手がプレーしましたが、この日は18人だけが試合メンバーとなり、まさしく「実戦形式」の形をとったものでした。対戦相手の富山は、J2時代の2010年以来の対戦。当時と同じ安間監督が率い、密集地域でのプレッシングとショートパスを得意とするアグレッシブなプレースタイルです。
その圧力でなかなか主導権を握れなかった前半。低い位置でのビルドアップを自由にさせてもらえず、DFから前線への縦パスもなかなか入っていきません。逆に決定的な場面を許し、あわやというシーンもありましたが、リズムが悪い中でも無失点の0-0で凌ぎ切ります。
ネルシーニョ監督は当然修正を施します。選手のポジショニングについて指示を加え、キーパーに稲田選手、最終ラインに近藤選手、右サイドに高山選手を投入。ここでメンバーが大きく入れ替わった鹿屋戦と違い、そのほかの選手はそのままピッチへ戻ります。前戦よりもプレータイムを長くし、試合体力をつける意味合いもあるでしょう。
すると選手たちの動きが一変。近藤選手や大谷選手の力強い守備や正確なパスからチャンスを作ると、後半9分に試合が動きます。右サイドで起点、鈴木選手からMFレアンドロ選手へボールが入ると、「ニーヤンが持った時の動き出しのタイミングは身体に染み込んでいますから」という工藤選手が裏のスペースへ猛ダッシュ。そこへふわりと抜群のラストパスが入ると、ヘディングでゴール隅へ流し込んで先制点をゲット。
さらにチャンスは続きます。今度は新加入コンビが魅せました。またも起点は右サイドでした。高山選手が高い位置でキープすると、ニーヤンとのワンツーパス。相手の背後へ抜け出るスピードがそれはもう抜群の鋭さで、ライン際から折り返すと、ニアへ飛び込んできたのはFWレアンドロ選手。まだコンディションは完璧でないものの、ゴール前での迫力と決定力はさすがというヘディングシュート。あっという間に2点、一気に畳みかける強さを見せます。
この「LLK」の強烈な活躍を、指をくわえて黙って見ているわけにはいきません、田中順也選手が続きます。終了間際のゴール前FKのチャンス。大きなカーブでゴール左隅へ射抜き、しっかりと結果を残しました。「途中出場だったけど、短くても与えられたこの時間で数字で結果を残さないと、戦力として見てもらえません。絶対に決めてやるという気持ちでした。それに、こんなに良い角度のFKを外したら、ジョルジに怒られますからね笑」。
チームを引っ張る選手が試合を立て直し、獲るべきFW陣がゴールを決める。「練習試合、ちばぎん、栃木とのプレシーズン。今日も前半はあまり良くなかったけど、後半立て直して勝てた。僕は今年も勝ちにこだわっているし、勝つことでチームは成長していくものですから」。とは工藤選手の弁。
また強烈なスピードを存分に発揮した高山選手ですが、「いやあ、まだまだですよ」と謙遜。それでも「レイソルでの2試合目、今日は結果を出せてよかった。タニくんからのいいサイドチェンジが来て、ニーヤンにつけて、そこからいいパスが来て、中へ蹴り込むだけでした」。サイドのポジションは守備でも大きな役割を求められます。「監督は守備についてとても緻密です。ミーティングでも言われますし、しっかり意識して、自分にインプットして、ピッチで出していきたい」。ハングギョン選手も後半途中まで力強い潰しを見せていましたし、レベルの高い新加入選手たちが、レイソルの力を引き上げてくれそうです!
キャンプはあと2日。ただスケジュールに変更があります。明日6日が午前9時、午後3時の2部練習となり、7日はトレーニングは行わず、帰柏の途に着くことになりました。明日午前は富山戦出場組はリカバー系の軽い練習、その他選手はボールトレ。午後はピッチ以外での短めの練習になりそうです。また雨に見舞われそうですので、急遽の内容変更もあるかもしれませんので、あらかじめご容赦ください。