再びアジアへ!
担当:大重正人
この時期には、ちばぎんカップといったプレシーズンマッチの経験はありますが、こうした大きなものが懸かった公式戦の、しかも一発勝負は記憶にありません。真冬の、しかもナイター、さらに冷たい雨が降り続く、大変困難なコンディションのなか、それでもレイソルの、そして吉田監督の新しいサッカーを見たい!応援したい!というサポーターの皆さんが日立台に駆けつけてくださいました。その後押しが選手たちを最後まで奮い立たせました。「アジア」への強い思いが込められたマスゲーム。
延長戦までの厳しい展開でしたが、最後の最後に大津祐樹選手が3年半ぶり日立台復帰→『自分の応援歌も大好きで、久しぶりに聞いて「戻ってきたな」という実感が湧いた』という大津祐樹を止めないで→CKゲットからのレアンドロ決勝点という、最高のシナリオのような展開で、レイソルがACL本選の出場を勝ち取りました。
トップチームでの初采配初勝利を飾った吉田監督の記者会見のコメントです。まず試合の総括からです。
「まず、とてもハードな、予想していたような展開といいますか、我々がスペースを突いて攻めて、その攻め込んで空いたスペースに相手が攻め込んでくる。本当に予想通りの試合展開、もちろん失点までは予想していませんでしたが、選手と話していたとおりの展開でした。だから1つ勝ち切れたということは、我々が初めてのゲームですので、勝って反省できて、次に進めることについて、とても意味のあるゲームだったと思います」
前後半90分を2-2で終えましたが、メンバーチェンジは工藤選手から太田選手へのスイッチだけでしたが、そこにも監督の意図がもちろんありました。
「交代枠を2枚残したのは、展開自体はもうひと押しという展開が続いていました。何人か疲れの見えている選手も出始めていた中でしたけど、まだ行けるというか、このメンバーで続けた方がいいと。ゴールチャンスを作られていない、ゴールチャンスを作られているのであれば、交代をしようと思っていましたけど、フレッシュな選手を入れたことでその流れを継続できないケースもありますから、いま私が4週間選手たちを見てきた中で、2枠残しているからとか変えた方がいいんじゃないかとかはよぎりませんでした。
延長も30分ありますから、我々は90分戦った試合自体もまだまだ少ないですから、30分の延長があるということ、残りの10分から8分ぐらいのところで、30分の延長を戦うということを頭に入れました。試合が伸びれば伸びるほど、我々にとっては未体験ゾーンですけど、我々が球を持っている以上は、時間が伸びれば伸びるほど、不利ではないということがありましたので、最後の方はあえて延長のために残しておこうと思ってそうしました」
ほぼ120分戦ってシュートは、なんと47本。結果的には最後の最後に勝負を決定づけるレアンドロ選手のゴールで勝利しました。ただそれだけチャンスを作りながら、決めきれなかったという点について質問がありました。
「ゴールを決めないと試合が終わらないというのは、今日は選手たち2回話しました。ハーフタイムと試合後と。とにかくネットを揺らさないことには試合は終わりませんから、もう少し落ち着かなければいけないでしょうし、ただゴールチャンスを作れること自体は十分前を向いて良い要素だとは思います。ただ、ゴール決めないと終わらないですから。言ったらシュート練習をしたからゴールが入る話ではないと思いますが、ゴール前に掛ける時間というのは、どうしてもチームを作るというところでは、どうしても後回しになってくる、シュートを打つというフィジカル的な負荷もかかりますから。そのへんはこれからたくさんトレーニングをして、落ち着けるような状況になると思っています」
この勝利で、クラブとして2013年以来2年ぶりのACLグループリーグの出場権を、晴れて獲得しました。さっそく来週2月24日には、グループリーグの初戦。韓国の全北現代とのアウェイゲームを迎えます。
「大きな目的を達成できたということがありますけれど、この準備期間の間から、韓国に行くということは先のプランとして持っていました。もちろん最初はチョンブリ戦に照準を合わせなければいけないですけど、監督としてその先に続いてくる全北戦はもちろん視野に入れています。全北についてはスカウティングの方が今のところうまく進んでいないのが正直なところで、ただ明確なイメージは韓国に行って試合をするのは明らかですし、選手たちにロッカールームで話しましたが、「これで韓国に行くぞ」というところで、まずは気持ちの切り替えですね。次も勝たなければいけない試合ですが、負けたら終わるという試合とは意味合いが変わってくるので、我々が気持ちの整理をつけて、そのままいいイメージを持って韓国に行ければと思います」
全北とは、2012年13年と連続して4度対戦し、4勝0敗。試合後の工藤選手は「縁があるというか、たくさん試合をしてきました。相手の監督さんやチームが、どうしてもレイソルを倒したいと言っているという情報を聞きました。僕自身も燃えますし、今年のレイソルのサッカーをしっかり見せて戦いたいです」と意気込んでいます!!
今日先発した選手たちは、明日はオフで静養に努めます。そのほかの選手たちは、モンテディオ山形とのトレーニングマッチです。レイソルを率いた石崎信弘監督と、2010年以来だったと思いますが、日立台で対戦。あのプレッシングをレイソルの選手たちが、いかにかわせるか。いったいどんな試合になるでしょうか。13時、練習グラウンドでキックオフです。