2015年4月17日

鹿島戦

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担当:大重正人

平日木曜日のナイターにもかかわらず、両チームのサポーター、1万人が日立台に駆けつけ、また日本代表のハリルホジッチ監督も視察に訪れた、この日唯一のJリーグマッチ。セットプレーからお互いに1点を獲りあい、そこからさらに熱のこもった戦いになりましたが、勝ち越し点は鹿島に決まり、松本戦からの連勝はなりませんでした。

吉田監督のまず第一声です。
「まず、今日の試合は1-3という結果で、リーグ戦3敗目です。ただ、前に喫した2敗とは全く異なる、我々にとって、このピッチで4月16日に見せたこのサッカー、このテンポ、この姿勢、そういったものが我々の中に大きな転機としてつながっていく。負けましたけど、今日の選手のプレー、選手が出そうとしたもの、出せたもの、そのほとんどに僕は監督としてとても感動しました。

その中で結果が付いてこない、結果が出なかったことに関して、誰一人責められるべき選手はいなかったわけで、前半立ち上がりの1秒から、最後のホイッスルが鳴るまで、高い集中力、溢れ出るイメージ、走りきろうとする気持ち、選手たちがピッチで表現してくれたことを、とても嬉しく思う試合でもありました。

ただ試合の結果として1-3と出ていないというところに、可能性とともに大きな責任を感じていますし、ただじゃあどこを修正するのかというところで考えるような試合ではなく、我々は我々がどこに行こうとしているのか、何をしようとしているのか、いつ勝ちたいのか、いつ勝っていたいのか、そういうことを明確にできるような、僕らの中で明るくなるような、そんな90分だったと思います」

メディアの方からも「今日はとても美しくて、勝っても全然おかしくないゲームだった」という言葉がありました。ただ、1-3というスコアで負けてしまったという結果。さらにコメントが続きました。

「感情的に言えば、ただ悔しいのですが、美しいかということは別に考えても、今日の選手たちがピッチで表現したものというのは、本当にこれから1シーズン戦っていく中で、大きな転機になる、大きなきっかけとなる、我々が誰なんだとなった時に、そこに立ち返れる、とても中身の詰まった、ギュッと凝縮されたものを発揮できたと思います。その結果、どちらに転んでもおかしくない試合はこれからもたくさんあるでしょうし、最後に勝ちたいよねと」

ただこの先サッカーを発展させていくなかで、コーチの勇気も試されるのではという質問に対して。
「例えば何かここでどうしても勝ちたいから、何かをいじると言いますか、アウェイの全北戦で、ちょっと違ったシステムで、今日もシステムは違いましたけど、何かを得るために何かをしなければ、何かを捨てなければいけないという経験をしてきました。その中で、戦術的戦略的に何かを捨てる試合があったとしても、確実に何かを捨てても消えない何かが今日の試合の中で掴めているのだとすれば、僕は十分にこの負けは受け入れられています。本当に感情的に言ったら悔しいですけど、そういったものがドンと座った試合になったと思いますし、選手も同様にきっと感じていると思います」

特に前半は、レイソルが試合のペースを握る時間も長かったように思います。今日は茨田選手に代わり、栗澤選手が入り、大谷選手とのダブルボランチで急きょ挑むことになりました。トレーニングをする時間がないにもかかわらず、大谷選手とのコンビネーションはこれまで培ってきた関係性がしっかり発揮されていました。
「まず、茨田が本来といいますか、直前の練習までやる予定でいました。ちょっと体調を崩したところもあって、それでアントラーズさんの試合を何試合か見て、分析した中で、栗澤と大谷の2人のコンビで、それにいくつかのものを付け加え、中央を支配できるんじゃないかと。トレーニングをしたわけではないので、急遽このメンバーでやりましたが、とても感触良く、本人たちもかなりの手応えを感じながら進めていたと思います。ただ栗澤もちょっとコンディションが整っていないところがあって、足が攣って交代になりましたけど、あのまま、あの調子であれば90分行ってくれてもおかしくなかったというパフォーマンスだったと思います」

その栗澤選手に代わり、秋野選手が今季初出場しました。
「栗澤のちょっとしたアクシデントで、秋野が入って。やや殴り合いといいますか、そういった試合になりかけた、そこを秋野が入ることで一呼吸といいますか、小休止といいますか、そういうものをピッチの中に作りたいと思いました。元来パサーというか、縦に入れるパス、裏に入れるパスというのは得意だし、好きな選手ですので、トップな展開の中で落ち着けるとともに、そこを刺しにいけるような動きも増え、より攻撃的に活性化された部分はあると思います」

またハーフタイムコメントにあった「ピッチの中でもっと話し合おう」という指示の内容についての質問もありました。
「ピッチの中で話し合おうというのは、ハーフタイムコメントですから、とても曖昧なざっくりとした表現だと思います。今日の試合でいうと、選手たちと話したのは、今日は戦術ボードはいらない、必要のない試合だと。すべてうまくいっているという話の中から、いくつかの、FKになった場面もそうですし、誰かと誰かが何かを見合ってしまう場面もそうですし、話し合おうというよりは、いちいち確認をしようよ、という分かりきったこと、話をしなくても、声をかけなくても分かるだろうというようなケアレスミスというものを、このピッチからなくそうというようなことを話しました。確認をしようと、いちいち確認して、せっかくこのゲームを確認のミスによって失うことがないようにしようと。選手は後半もよくやったと思います。その点に関しても」

選手たちのコメントからも、ポジティブな内容もありました。
(輪湖選手)1人1人が戦っていたと思うし、球際もいけていたし、セカンドボールも拾えていた。そういった時に点が入らないことをここ何試合も経験しているが、成長するための過程を踏んでいると思う。
(栗澤選手)ボールも動いているし、上手く相手の嫌なところに入るボール回しはしていたので、そこでゴールを取らないといけない。

しかし、自分たちで作り出した自分たちのリズムを、得点に、そして結果につなげなければいけません。大谷選手は「だいぶ自分たちのサッカーをできる時間が長くはなってきたけど、でもやっぱり結果が必要。勝ちながら修正するというサイクルに早く入りたい」。この4月16日の鹿島戦がきっかけだった。いつかそう振り返れるような変化と戦いを。なによりこの日立台を支えてくれているサポーターに勝利で応えなければいけません。次は来週水曜日、ACLグループ突破が懸かった全北現代戦へ向かいます。