大決戦前夜
担当:大重正人
いよいよ明日に迫りました。ACLグループリーグ最大のビッグマッチ、ホーム日立台での全北現代戦です。ここまで勝ち点8で並び、得失点差1で全北が首位、レイソルが2位で追っています。この試合、勝った方がグループリーグ突破、そして首位通過を決めます。今季からグループリーグの順位決定方法が変更になり、勝ち点が並んだ場合は当該対戦での成績により順位が決定されます。
1. 当該参加クラブ間で行ったグループマッチでの獲得ポイント数が多い方。
2. 当該参加クラブ間で行ったグループマッチでの得失点差が高い方。
3. 当該参加クラブ間で行ったグループマッチでのゴール数が多い方。
4. 当該参加クラブ間で行ったグループマッチでのアウェイゴール数が多い方。
5. (略)
6. 行われたすべてのグループマッチでの得失点差が高い方。
7. 行われたすべてのグループマッチでのゴール数が多い方。
つまり、最終的に両チームは勝ち点11で並ぶ可能性がありますが、明日の試合で勝利し「当該対戦1勝1分」の成績を収めたチームが、おのずと首位通過が決定するという状況です。(山東は残り2連勝しても勝ち点10)。ちなみにレイソルが山東に勝ち点で並ばれた場合でも、レイソルは直接対戦で1勝1分ですので、上位となります。これは余談ですが、明日の試合が0-0で終わるか、1-1で終わるかで、最終的に勝ち点が並んだ場合に、レイソルと全北の順位が変わってきたりもします。
という少し複雑なグループリーグの状況がありますが、それはあくまで余談。すべては「勝った方が1位通過!」というわかりやすい明確な目標だけを見据えています。まずは会見に出席した大谷選手のコメントからです。
「全北の強さというものを自分達は何度もゲームしたなかで十分わかっているし、彼らがKリーグで負けていないのも理解している。その上で、ここ日立台は自分達のホーム、残り2試合あるが、まだあと1試合あるというのではなく、しっかり、ホームで予選突破を決められるゲームにしたい。少し連戦が続いた中で、中5日をしっかりと良い準備にできたので、自分達にとって明日は良いゲームになると思います」
続いて吉田監督です。
「まず明日、今、得失点で並んでいる全北を迎え、残り2試合の予選リーグの大事な大事な一戦。まず我々のホームですけれども、彼らの実績、成績、戦績を考えても立ち向かっていかなければいけない相手になると思います。もちろん難しい試合、激しい試合になるとは予想しています。ただ我々も試合を重ねながら、勝ったり負けたりが続いている中で、ある一定の手ごたえと、失っているものもありますけど、その中で選手達が着々と前に進んでいるという実感を感じながら、明日の試合をチャレンジで終わるのではなく、良いものを掴みとって、必ず次に進みたいと思っています。そのための準備もできていますし、気持ちの面も技術的な面も良いものをお見せできればと思っています」
メディアからの質問です。試合間隔がないなかで修正するための時間が限られていると監督が言及したなかで今回は中5日と比較的インターバルがあって、どんな改善を目指したのか。
「時間が限られてはいますけど、我々の選手達は、基本的には言ったこと、こういう風にしようと言ったことには理解力がとても高い選手達です。グラウンド上での修正はなかなか取る時間はないですが、こういう風にしよう、ああいう風にしようって、座学というかそういう所での修正というのは、とてもスムーズにできるチームではあると思っています。どこを重点的にというよりは、もう1度、組織的な、我々がチームとして戦う、というようなことを今一度、確認しました。そしてまた明日から連戦に入りますけど、そこに備えたいなと。あとは溜まってきているものもありますから、心身両面をフレッシュにしなければいけないという5日間になりました」
対する全北現代は、前回のアウェイをケガで欠場したエースのイドング選手が出席。彼は、ACL史上個人最多の25点をマークした歴史的ストライカーです。「まず、現在は体の調子もとても良くて、良い雰囲気ですが、しかしアウェイの試合なので難しい試合になると思います。でも今まで準備したとおり、そのパフォーマンスをグラウンドで思い切り見せたいと思います。ストライカーとして得点への欲は持っています。明日もチャンスがあったら、必ず得点を取って予選1位で次のステージへ上がれるようにチームに貢献したい。もちろん得点を取れなくても、周りの選手が取れるようなプレーをしたい」
そしてもうひとつ、全北には継続中の大きな記録があります。Kリーグ史上最長の22試合連続無敗記録を更新中です。韓国では「大帝」とも称されるチェガンヒ監督は表情をあまり崩すことなく、淡々と語りました。
「Kリーグで22試合無敗記録を更新したのは事実です。先週の試合でその記録を達成しましたが、今まで良い流れでやってきて、それは去年の後半戦から負けなしの良い雰囲気でやってきています。
もちろんこのスタジアムで勝ったことがないのはよく知っています。私としては個人的に初めてのグラウンドになりますが、相手の柏とはホームで試合をしたこともあるし、柏の予選で続けている試合の映像を見て分析も終わっています。柏の特徴は全体的に中盤が強く、組織力のあるサッカーをやっています。Jリーグならではのパスをつなぐプレーをしていますの。Jリーグの試合を編集して選手たちに見せながら分析も全て終えています。もちろん分析も大事ですが、我々のチームが持っていて良い部分をグラウンドで思い切り発揮し、良いパフォーマンスを見せることが大事だと思います。ただ、スタミナのところ、柏は木曜日に試合だったのでそこが気になりますが、明日の試合までどこまで回復して、グラウンドで全力を尽くせるかの問題になると思います」
2月のアウェイ戦では、レイソルが3バックを敷き、相手の高く強い前線へ激しく対抗。0-0のスコアレスドローに終わりましたが、今回はグループ突破と首位通過、そしてそれぞれのサッカーへの自負やプライド、意地が激しくぶつかり合う試合が必至です。アジア屈指の強敵を日立台で迎え撃つ!「柏から世界へタオマフ」や「ACLユニフォーム」を身に付けてのASIAモードになりきって、水曜ナイトゲームですが、みなさんの力を日立台へ。ご来場ご参戦をお待ちしています!