浦和で勝利ならず
担当:大重正人
アウェイでの浦和戦。攻撃的なサッカーを標榜する両チームの対戦で、6月の対戦のようなゴールラッシュも予想されましたが、レッズが人数をかけて攻め、レイソルが耐えながら反撃を伺うという、厳しいゲーム展開となりました。それでも0-0の時間が長く続く拮抗したゲームになったのは、GK菅野選手の好守があってこそでした。特に前半。立ち上がりからのレッズの決定機を、3本4本とブロックし、埼玉スタジアムの赤いサポーターからは何度もため息が漏れました。
しかし終了間際。高木選手のカットインからのシュート。この日あまり状態の良くなかったピッチ、特にGK付近はどうしても荒れてしまうのですが、不規則にバウンドしたボールが、菅野選手の手をすり抜け、これが決勝点となってしまいました。「キーパーをやっていればグラウンドが味方してくれない時もある。逆にグラウンドが味方してくれる時もある。失点は後悔していないし、技術的なミスだとは思っていない」。今日の菅野選手はそう振り返るだけのすばらしいパフォーマンスを見せ、チームをなんとか支え続けていただけに、88分での失点は余計に悔しさが募るものでした。
ただ試合を通してのシュート数はレッズの18本に対し、レイソルは6本。「相手のプレスをかわしきれず、自分たちのリズムでボールを回せず、消極的なプレーが多くなってしまった(菅野選手)」「前半はまったくサッカーができなかった。勢いに飲み込まれて、我々が本来やらなければいけないことを見失っていた。全員がそうではなかったが、いくつかのところから焦りや感じたプレッシャーが伝染した(吉田監督)」。後半には工藤選手のシュートがポストを叩くなど反撃のチャンスも作りだしましたが、試合の流れをつかみきれないまま90分を終えることになってしまいました。
それでも、次の試合はやってきます。チームは明日、ACL準々決勝第2戦のため、広州へ出発します。下を向いてはいられません。第1戦は1-3。第2戦は3得点が必要な状況です。
「とにかくもう一度自分たちのサッカーをやるということを選手たちと確認し合った。気合の入った状態で中国へ行こうという話をした。とにかく悔しい。0-1で負けたことよりも、前半の姿が悔しい。この姿を変えられるようにこれから努力していきたい(吉田監督)」。9月15日、試合まで4日しかありませんが、大きな変わり身を見せ、不可能を可能にする大逆転を目指します。