勝利届かず
担当:大重正人
またしても、勝利まで一歩届かない。ゴールに迫れども、どうしてもゴールラインを一歩割れない。日立台のサポーターみなさんに喜んでいただける結果、勝利をお届けすることができませんでした。
ここまで、毎試合2失点を喫していた中、レイソルは前半の失点が多く、ベガルタは逆に前半20分までの得点が多い。まずはその前半で、どちらが優位に立つか。「セットプレーでは複数の人間で競る(大谷選手)」といったチームの約束事を守るなど、レイソルの守備は非常に意識と集中力を高く保って、しっかりと無失点に抑えました。攻撃面でも優位に立ち、ベガルタが自陣でしっかりと守備を固めたこともあり、レイソルがボールを長くキープし、左右や縦にもパスをつなぎながら、相手陣内へと攻め込む時間も長くありました。
しかし何度かあった決定機を活かすことができません。「コンビネーションは決して悪くないけれど、最後の決定機で外しているシーンが多い。前半も後半もチャンスはあったのに、そこを決めきるという所で、チャンスに対して『もぎ取るんだ』という意識を、どのポジションの選手も意識を高く持ってやっていかないといけない。チーム全体で攻めるスタイルだから、どこにチャンスがやってくるかわからないし、そのチャンスを決めきるということに責任感を持ってやっていきたい」(田中順也選手)
「ボールは持てているけど、途中からはボールを回させられているという感じだった。前半は良い感じに回してシュートまでいけていたが、その何度かあったチャンスを決められず、そのうちに相手が自信をつけてきて、パスが横に回すだけになって、相手はカウンターを狙うという形になっていた。前半はしっかり守れていたし、やっぱりチームでチャンスをしっかり決めないといけない」(増嶋竜也選手)
3月の日立台のベガルタ仙台戦。マスが懸命に守備に走っている姿を見ていて、昨年のことが思い出されました。左ひざ前十字靭帯損傷で全治7ヶ月の大ケガ。今夜放送される、チバテレビ「ライジングレイソル」のインタビューでは、「あの付近に立つと、当時のことがよぎります」と胸の内を明かしました。それでも今日の試合後は「ちょっと思い出すところもありましたが、試合に入ったら集中していたし、克服というか、ひとつ乗り越えられた気がします」。苦しい1年を乗り越えて、また魂のこもったプレーでレイソルに勝利をもたらしてくれることでしょう。
2011年のJ1優勝を知るメンバーたちは、強いチームとは、勝つチームとはどうあるべきかということを、身をもって知っています。今週のマッチデープログラムインタビューで桐畑選手も強く話していましたし、前述の田中選手や増嶋選手、また大谷選手や栗澤選手といった経験者たちは現状の自分たちに厳しい言葉を放っています。そうしたものを後輩たちにいかに伝え、チーム全体で共有していくのか。「もっと要求しなければいけない」という言葉が良く聞かれますし、今日の最年少の中山選手も言っていました。そうした要求や言葉を伝え合うことをためらう必要もないでしょうし、しっかりと受け止め高めあう雰囲気を、ここ数年の選手たちはしっかり作ってきているはずです。「この状況を変えられるのは、自分たち選手」。キャプテンだけでなく、チーム全体、個人個人が意識を高く持ち、来る土曜日のサガン鳥栖戦で再出発のきっかけとなる勝利をつかまねばなりません。