鳥栖戦
担当:大重正人
タイムアップの瞬間、大きな溜息と失意に覆われる日立台になってしまいました。田中順也選手、クリスティアーノ選手のゴールで鳥栖を追い詰めたものの、スコアは2-3。ステージ優勝と、年間勝点3位以内の可能性がゼロとなる、非常に痛い黒星となりました。
「立ち上がりは悪くなかった」と下平監督が振り返ったように、ビルドアップからすばやく展開して敵陣へ進むと、ボールを奪われた瞬間の切り替えも早く、二次攻撃三次攻撃と相手を押し込む良いスタートが切れました。ただ、少し攻めを急ぎすぎたか、シンプルなクロスをシュートにつなげられず、決定機はなかなか作れません。
鳥栖はレイソルの背後をロングボールで突く形に狙いを定めてきました。前半続いたセットプレーのピンチはしっかりと跳ね返し、膠着したような時間帯だった前半40分。相手キーパーからのロングボールを、豊田選手が競って、そのセカンドボールを相手に許します。そこを起点に、鎌田大地選手のすばらしいシュートを止められず、先制点を献上。さらにその5分後、またしても豊田選手が競った背後でボールをつながれて連続失点。この2点が結果的に大きく響きました。
後半立ち上がりから、柏熱地帯の応援歌はずっと「突き進め柏」が繰り返されました。不甲斐ない前半をなんとか覆そうと必死の応援が続きました。後半20分までに1点返せれば。そんな思いで見守っていたところ、田中順也選手の左足に「打ってくれ、決めてくれ」というサポーターの思いが乗り移ったかのようなシュートが放たれました。日本代表GK林選手の前で弾んだボールが、そのままゴールへ。決して止められないボールではなかったかもしれませんが、日立台の力ですいこまれたようなゴールでした。
再び「突き進め柏」の後押しを受け、同点、逆転へとつなげたかったところでしたが、またしてもGK林選手→豊田選手と一気にロングボールから背後へ渡り、1対1から鎌田大地選手のゴール。最後まであきらめず、ペナルティエリアで泥臭くつないだボールを、今日は後半からの出場となったクリスティアーノ選手が豪快に突き刺して、1点差に迫ったものの及びませんでした。
三度同じ形での失点。相手の得意な形がわかっていて、警戒していながら止めきれなかったというのは、余計に悔しい思いが募ります。ロングボールを簡単に蹴らせない。DFラインを高くして豊田選手をオフサイドポジションにおく。豊田選手に激しく競りかける。そのセカンドボールを回収する。いろんな形で対抗するやり方があり、選手たちも全力で懸命にファイトしたはずですが防げなかった。あえてもっと厳しいことを追及すれば、ACL、アジアの頂点を目指すなら、2012年の蔚山現代戦のような、さらに大型の、パワフルな攻撃を跳ね返さなければいけないのですから。
もっともっと強くたくましく、攻撃はもちろん守備でも相手を圧倒するようなチームに、これから成長していかなければなりません。今日の悔しさ、不甲斐なさ、無念さ。勝たなければならないという一戦を必ずもぎとる勝負強さ。忘れてはいけないもの、身につけなければいけないもの、まだまだありますし、だからこそ成長の余地もあるはずです。今日の敗戦を、リーグの残り2試合、そして天皇杯へ、必ず糧にしなければいけません。この応援に応えなければなりません。