担当：大重正人

リーグ戦7連勝、2014年以来のことです。そして暫定とは付きますが、スタンディングボードの一番に上に「柏レイソル」の文字があります。昨日の日記で書きましたが「勝てば首位に立てる」という試合を、勝ちに行ってものにしたという今日の成功体験は、選手たちにとって大きな財産になりました。

「2011年」「勝てば首位」「大宮アルディージャ」「日立台」。「2009年以来、ホーム日立台での大宮戦6試合未勝利」。「先制されたら勝てない」。長年のサポーターの方々にはネガティブなファクターが頭に浮かぶ方も多かったかもしれませんが、それは過去のことで、今日のレイソルの選手たち、とくに若い選手たちにはまったく関係ないことだったかもしれません。目先の相手に勝つ。それだけをやり通した結果が、今日の勝利で、7連勝で、暫定首位という成果でした。

一方で「ヨネックスサンクスデー」は過去無敗という、レイソルにとって心強いデータがありました。昨日はあえて触れなかったのですが、今日の勝利で4勝1分。試合前に柏熱地帯からの林田社長へ向けて長年のサポートへの感謝と御礼の声援が贈られ、サポーターからは無数の「YYマーク」のゲーフラが掲げられる。試合後には選手たちがゲーフラを掲げて勝利のダンスに酔いしれる。毎年の最高の光景が今年も見られました。ヨネックスの皆様、本当に温かく心強いサポートをいただき、誠にありがとうございます。

立ち上がり、オレンジの選手として日立台に戻ってきた茨田選手が強烈なブーイングを浴びながらも蹴りこんだCK。「いいボールだ」と思った瞬間、レイソルのゴールネットが揺れていました。ただ、6連勝中のチームがこれから首位を狙おうというチャンスの前で、いくら相性が悪いとはいえ現在最下位のチームに対し、立ち上がりの1点のビハインドを覆せなければ、到底優勝争いなど絡んでいけないとも思いました。

それに加え、この暑さの中でどれだけチーム全体でプレッシングできるか、先制を許したゲームをいかに逆転していくか。いまのチームに課せられた問題をクリアするにはうってつけの試合になったとも思いました。いったいどんな試合を見せてくれるだろうかと期待が高まりました。そして選手たちはやってくれました。失点直後こそ焦りもあったかもしれませんが、その後慌てることなく、徐々に自分たちのペースに引き込み、最終的には23本ものシュートを放ち、4-2で勝利しました。

前半終了間際の同点ゴール。相手GKのファンブルを見逃さなかった伊東純也選手。後ろから見ていた中谷選手は「あそこにJ（伊東選手）がいるのも偶然ではないと思うし、1つ1つそういった細かい所をこだわることが大事」と今の連勝の要因にもつながる言葉で説明してくれました。クリスのクロスが相手に当たり、不規則な回転でゴール前に飛んだボール。ここに詰めて相手DFと競っていた中川選手がいたからこそ、GKは前に飛び出してのポジショニングを強いられ、高く弾んだボールをキャッチできなかったように見えました。後半、4-1になってからも、彼のボールを追い続ける姿勢は変わりありませんでした。「ここで緩めるな！！」。ベンチのチームメイトからの声も後押しになったでしょうし、チーム全体でやるべきことが共有されていることを表している掛け声でした。

今日は、酒井宏樹選手が日立台に。フランス1部のマルセイユで主力として活躍し、日本代表でも不動の右サイドバックに。シーズンを終えて昨日帰国し、今日は観戦や激励に来てくれました。2012年にヨーロッパへ旅立って以来、早5年。レイソルU-18のゴールデンエイジとも呼ばれた同期6人昇格のうち、現在レイソルでプレーしているのは武富選手だけになりました。同期昇格で、プロ1年目にはブラジル留学で過酷な環境を一緒に乗り越えてきた2人。今日そのタケが2点決めたというのも、不思議な何かを感じてしまいます。

7連勝。勢いも必要ですが、力がついていないとできないことでもあります。文字通り首位に立ったことで、周りからのマークや警戒は今までよりはるかに強まるでしょうし、1巡目の対戦ではこのあと浦和、鹿島というACL組との対戦も残っています。春にはガンバ、川崎には敗れていますし、真の力が問われるビッグマッチになります。まずは来週日曜の浦和レッズ戦。チケットはすでに完売です。サポーターの皆さんには今日も間違いなく相手に大きな重圧を与える応援をしていただきました。また来週もよろしくお願いいたします。今日は本当にありがとうございました。