2018年4月26日

浦和戦

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担当:大重正人

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今日の試合前。メインスタンドから向かって左側のベンチに座り、イベントの開始を待っていました。中川選手が横に腰かけて、いつものように「今日、チケット何枚ぐらい売れてますか?」と聞いてきました。いつも彼はそこを気にしてくれます。頑張らなきゃなと思わされます。真っ赤に染まったビジターのゴール裏を見て、昨年の日立台でのレッズ戦、ヒロトのゴールが鮮明に浮かんできて「今日もあそこに決めてよ」と伝えると、「今日はあっち側かもしれないよ」とイエローの柏熱地帯を指さしました。一度はGK西川選手のスーパーセーブで阻まれたものの、何度も何度も繰り返すチェイシングのように、やがてチャンスが来ると信じ続けてDFの隙間を狙い続けた姿勢を、会心のゴールという形で実らせました。あまりにも見事すぎる有言実行でした。

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下平監督は、この短期間で何とかきっかけを見いだそうと練習以外に準備をしていました。「この中間、Jとアタルを個別に呼んで、ビデオを見せました。守備への切り替えが遅い、奪った後も遅い、と要求しました。もっとやって欲しいし、2人は日本代表にも入っていける逸材だし、そこを直せば上に近づけると話した。今日は中川がいたこともあって、その3人に引っ張られるように守備から攻撃、攻撃から守備へと、攻守の切り替えは最近の中で一番速かったと思います」。

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そして鎌田次郎選手は負傷明け、ぶっつけ本番でしたが、ブランクを感じさせないプレーで完封に大きく貢献しました。もちろん豊富な経験があっての今日の好守であり、そして何より相手に絶対に負けないという気迫が、今のレイソルに大きな力をもたらしました。「試合に出る人が責任感を持ってチームのために働いた結果。これを続けないといけないし、まだまだ試合内容的にも順位的にも積み上げられるものはある。気持ちを出して戦うというのは自分の土台の部分。表現の仕方や声を出したりあると思うけれど、監督が求めている自分の役割はそういった所。そこはしっかり出して、チームを鼓舞して引き締めることが出来て良かった」。監督がチームに求めて説いてきた責任感と献身性を、アタルやJ、ジローだけでなく全員が出していました。

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立ち上がりから、江坂選手と中川選手が猛然とチェイシングすると、それに続く中盤、そして最終ラインときれいに連動したアップラインを見せ、守備からリズムをつかみました。ビルドアップから敵陣へ侵入し、幾度となくチャンスメイク。パススピードがあり、走りのスピードや推進力も十分に見えて、シュートまで繋げる時間も短く、攻撃にも守備にもスピード感や強度を出し続けた90分間でした。これなら勝てる。GK中村選手のビッグセーブがこれだけで続けて、逆にこれで負けたら仕方ない。それぐらいに選手全員が持てる力をすべて出し続けました。

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1対1の攻防も激しく、そして譲らなかった。クリスティアーノ選手と橋岡選手、伊東選手と宇賀神選手。サイドのマッチアップはお互いに譲らず、激しく身体をぶつけあい、そして負けませんでした。GK中村選手と興梠選手、シュートとセーブの攻防も決めるか決められるか、紙一重の勝負がありました。ピッチのいたるところで激闘が繰り広げられ、見ている者を惹きつける好ゲーム、そして勝ったからこそ言える好ゲームでした。

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そして何より、応援の力なくして、好ゲームはありえません。日立台、そしてリーグ戦の復帰となった手塚康平選手は「アップの時から自分の応援歌を歌ってもらって嬉しかったです。試合に入る時も拍手で迎えてくれて、試合の後の応援歌もすごく嬉しかった」と笑顔がこぼれました。投入から3分後、決勝点が生まれ、彼も今日の勝利に貢献しました。でも今日一番の見せ場は、エレガントな左足よりも、カウンターを阻止した泥臭いスライディングでした。

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後半30分ぐらい、右サイドで伊東選手と宇賀神選手の火花散るバトルがありました。それ以前から続いていましたが、一番ヒートアップし、最後はJのファウルに。不穏になりそうな雰囲気、ブーイングをかき消すようなJの応援歌のタイミングがすばらしく、我々レイソル一同がイライラすることなく試合への集中を取り戻せたような気がします。

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今年、ここまでのベストマッチでしょう。でも満足はできません。まだ一つ勝っただけ。個の勝利を次の勝利に。次は28日土曜日、日本平で清水エスパルス戦です。あのオレンジのスタジアムで、レイソルがまた輝けるように、後押しをお願いします。今日のすばらしい雰囲気をありがとうございました。

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