2019年5月 4日

鹿児島戦

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担当:大重正人

「今日は、我々が勝ち方を知らない、そういう試合だった」。ネルシーニョ監督は、試合後のロッカールームで選手たちに非常に強い言葉を伝え、そして会見では試合回顧の一節で冒頭の言葉を述べました。自分たちでつかみかけた勝ち点を、自らで手放してしまった。そういう猛烈な悔しさが厳しい口調にありありと込められていたように思います。そしてそれは、鹿児島まで駆けつけてくださったサポーターのみなさんも同じ気持ちをお持ちだと思います。

今日は、幸先よく先制点を挙げました。ここまでリーグ戦では3試合プラス87分、無得点が続いていましたが、立ち上がりから主導権を握り、セットプレーのチャンスを続けて掴み、そしてコーナーキックから江坂選手のゴール。「最初の15分間はいい入りができた」と監督が振り返ったように、内容だけでなくゴールという結果も得て、今日こそは!と思える立ち上がりでした。昨日、大谷選手に第2子となる男の子が生まれ、嬉しいセレブレーションができたからこそ、結果論になってしまいますが「今日は絶対に勝とう。勝って喜ぼう」という気持ちをもっともっと強く徹底し共有しなければいけませんでした。

その後もチャンスを作りながら決めきれず、そして前半終了間際、ラストワンプレーという最悪のタイミングでの失点。しかも我々が食らったダメージ以上に、鹿児島イレブンに大きな大きな希望を与える失点でした。「インターセプトしたところを逆にカットされて、人数は揃っていたけどクロス対応とかにズレができてしまった」と上島選手から反省の言葉がありました。いま我々の引き分けが続いているという現状、そしてようやく得た待望の先制点、その1点のリードをどんなことをしても明け渡してはいけない。そうした思いがもっと強くあれば、ボールを大事につなぐ、外へ蹴り出す、ファウルで止める。プレーに関わったそれぞれの局面でいろんな方法でプレーを止めることもできたはずです。

今日の鹿児島だけでなく、過去対戦してきたチームは、リスタートを遅らせたり、できうることのすべてを尽くして1ポイントでも獲りたいという執念を感じます。今の我々にそこまでの泥臭さがあるか。勝利やJ1復帰への執念があるのか。4試合勝利のなかったレイソルにとって本当に大きく重く、価値のあったリードを失い、そして試合の流れも失ってしまいました。

鹿児島のサッカー、昨年まで琉球を率いていた金監督のパスサッカー、ポジショニングやボールを引き出す動きが、徐々にピッチで発揮され、レイソルは焦りや暑さによる消耗もあってか、ボールを奪えず、セカンドボールもキープできなくなっていきます。琉球戦のように「後ろから選手が湧き出てくるような攻撃をしてくるときに対応が遅れてしまっているのはチームとして修正しないといけない」。大谷選手が振り返ります。2失点目は、古賀選手が中央まで相手アタッカーに食らいついたもののそこで潰しきれず、大きく空いたレイソルの左サイドをカウンターで突かれました。「太陽は、中央の拓巳の前まで付いていっている。ある程度ついていくのはチームの約束事だけど、拓巳にマークを受け渡してもいいところかもしれないし、自分のポジションを離れて出て行ったときの対応など、失点シーンに限らずいろんな場面で起こっているので、柔軟にやる必要もある」

一方で監督は「ここまで、守備陣が何失点したかということを見れば、本当によくやってくれている。前線の選手たちの連携を改善していく必要がある。後ろよりも前の方に改善の余地があるとみている」とも言及しました。獲れるときに獲って、試合を決定づけることができれば、今日の試合も、これまでの試合も結果は変えられたはずです。勝者たるところまでたどり着くにはまだ遠く、さらなる努力が必要だという現状を改めて感じさせられる日々です。いまは改善点を見出し、トレーニングで修復して、試合で結果を出す。そうした目に見える形での成果をサポーターのみなさんに届けてほしいという一心です。来週は水曜にアウェイでのルヴァン鳥栖戦、日曜はホームでの徳島戦です。