広島戦
担当:大重正人
前半最初の飲水タイムまで無失点。選手たちの表情を遠くから見て、ここ数試合の守備の安定感や効率的なディフェンスができていて余裕を持って戦えているのかなと個人的にはとらえていました。ただ試合後のレイソル陣営のコメント、相手チームの分析を聞くと、守備のところでもっとハードにいかなければいけなかった、もしくは狙いを絞り切れず、攻撃的なディフェンスがやりたくてもできていなかったのかもしれないと。
サンフレッチェのキーマンのひとりが青山選手であるのは間違いありません。ボランチの位置から3バックの間に降りて攻撃を組み立てたり、巧みにレイソルのプレッシャーがかからないエリアに立ち、チームを動かしていました。彼のような屈指のコントロールタワーをいかに潰し、自由を奪うか。果たして先制点のシーン、あの位置で青山選手にフリーで前を向かれてはいけない場面でした。レイソルの守備は人に激しく行くというのが持ち味のひとつ、そこで奪いきればチャンスになるし、でも相手は食いついたところの裏を狙っていく。その駆け引きの中で、レイソルらしい積極的な戦いをさせてもらえなかった。
ハーフタイムには、ネルシーニョ監督から、もっと前から相手を捕まえにいくこと、そして交代カードを見ても、明確なメッセージが込められていたように思います。サヴィオ選手、神谷選手を中盤に入れ、もっとボールを握っていくぞと。1点差をキープしながら攻撃の主導権を握っていこうという立ち上がりは機能的でしたが、9分のレイソルの背後へのボールでボールを奪えず、空いてしまった無人のゴールへ2点目、その6分後にも3点目。勢いを出していこうというところで出鼻を挫かれてしまいました。台風による悪天候にもかかわらず、日立台に駆けつけてくださったみなさん、1点でもゴールを決めてほしい、見せてほしいという思いを、瀬川選手らが最後までシュートを放つ意欲を見せ続けてくれましたが、今日は0-3、完敗という結果に終わりました。
連勝は3でストップ。ここまで失点を食い止め、リードした点数を粘り強く守り抜く形ができつつありました。今日の敗戦で、それまでに得た積み重ねや勝ち点が消えるわけでもなく、もう一度今日足りなかったところを省みて、そしてこれからも愚直にやり抜くこと。Jリーグは上位から下位まで力の拮抗したチームばかり、下位とのポイント差が開いたからといって気を緩めるわけにはいきません。来週日曜日も6ポイントマッチのガンバ大阪戦、強い気持ちをもって戦ってくる相手を、さらに強い気持ちで跳ね返すような戦いを期待したいです。