2007年12月 6日

明るく たくましい 子ども

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担当:大重正人

世間の学生の皆さんは期末テストの季節でしょうか。毎日遅くまで机に向かっていることと思います。しかし、レイソルもフィジカルテストに契約交渉の面接。まるで受験シーズンのような師走を迎えています。昨日の乳酸値テストに続き、今日は筋力テストでした。

歯を食いしばって太ももに力を入れる池元選手。
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「あ゛?っ!!!」という叫びが聞こえてきそうな谷澤選手。
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筋トレルームでの測定後、石さんのボールトレーニングが行われました。二組に分かれて、長めのトレーニングを終えて引き揚げてきた北嶋選手。そのとき13時40分。「めちゃくちゃ練習キツイよ?」という彼には、これから更なる試練が待っていたのでした。

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そのときレイソルカーの運転席では、、、、なにやら黒い人影が文章を何度も復唱しています。「ボクはどうしても用具係になりたかったんです!だから北から南まで片っ端からサッカークラブに電話をかけていったんです!」緊張に押しつぶされそうな自分を必死に奮い立たせているのか。

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北嶋選手を乗せたレイソルカーは練習後すぐにクラブハウスを発進。向かった先は、柏市立酒井根小学校でした。学校訪問活動『レイソルしま専科』で講演を行うためです。時間は14時25分着でした。

さきほど、復唱していたのは……宮本マネージャーでした!ホペイロとして5年、マネージャーとして3年間、レイソルに心血を注いできた話、そしてこの日のテーマであった「将来」や「職業」について、自分の経験談を伝えていきます。「ボクはサッカーが大好きで大好きで、どうしても用具係になりたかったんです!」。6年生の3クラスの子供さんたちからは少し笑いが起こりました。子供さんにすれば「どうして用具係?」と思うのも無理はないかもしれません。

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しかし、宮本マネは黒いバックを取り出し、磨き上げたスパイクや「9」の背番号がついた鮮やかなレイソルイエローのユニフォームを広げます。整列していた子供たちは、「わぁ?!」と目を輝かせて前へ押し寄せ、ぐるりとその周りを囲みました。「試合開始の4時間前に会場入りして、選手やスタッフが着るユニフォームをきれいに準備していくんです」。用具係の大変さや苦労、そしてきれいなユニフォームをまとってピッチに入場する選手を見送るときの爽快感。素直な子供たちは話に引き込まれ、用具係という仕事はチームにとって絶対に欠かせないものだということを理解したはずです。キラキラした彼ら彼女達の目がそれを物語っていました。

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そして、北嶋秀朗選手。昨年の学校訪問では「15分話す予定が、3分で終わってしまって、質問タイムになって……だから雪辱戦なんです!」と意気込んでいましたが、ハードな練習を終えて休む間もなく、疲れが否めない様子だったかもしれません。しかし、子供たちから元気を分けてもらうように、話はどんどん盛り上がっていきました。

「“キタジ”って呼んで下さい!」と子供たちの心をつかみ、「子供の頃は人一倍練習をしました。それから規則正しい生活をして、不摂生をしないこと」を話を進めます。その例として、おかしやコーラを口にしないと決めていたそうです。ここでもかわいらしい笑いが起こりましたが、要は「自分で守ろうと決めたこと、自分との約束をきっちり守ること」の大切さを伝えたかったのです。

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2人とも、自分の描いた夢に向かって、純粋に、ただまっすぐに進んでいった。強い信念を持って。諦めることなく。だから夢が叶ったんです。帰りの車中。「こっちがちょっと言ったことにでも、すぐに反応してくれて、すっごく話しやすかった!」。講演のお礼にと披露してくれた組体操とソーラン節の演舞の美しいこと。大きな歌声ときれいに整った動きに「マジでスゲェ、鳥肌が立ったよ」と逆に感動をもらった2人。

前々日に「嫁といっしょに夜3時まで文章考えたよ」というマネージャーと、かたやメディアトレーナーの片上さんと「6時間かかって内容考えて、話す練習もした」という背番号9。彼らの努力とこの日に懸けた思いは酒井根小学校の、明るくたくましい子どもたちの心に届いたことでしょう。いつか彼らのように大きな夢を叶えられますように。

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