天皇杯勝利、そして次なる闘いへ
担当:石本瑞奈
見事な秋晴れのなか、今日は天皇杯の2回戦、ジェフリザーブズ戦が行われました。
120分闘って決着がつかず、スコアレスドローのままPKへ。とにもかくにも勝利をおさめ、次へとコマを進めました。レイソルの公式戦での勝利は先月12日の名古屋戦以来ですから、ほぼ1ヶ月ぶりになります。
試合後、北嶋選手は「天皇杯はトーナメントだから、勝ち進むことが大事。0?0でPKでも、勝ったことがよかった」と話しました。それでも「DFのみんなに申し訳ない。攻撃陣が点を取っていれば、今日の試合はもっとラクになった」と、ゼロに抑えてくれた守備陣を気遣っていました。
やはり引いて守っている相手を崩すのは難しかったようで、「裏を狙おうとしていたけれど、あれだけ相手のディフェンスラインが下がっていたら、もう少し融通を利かせればよかった」と課題を挙げました。
杉山選手も「引いた相手に対してどう崩すかというところで、もう少し柔軟な対応があってもよかった」と振り返りましたが、彼はミドルシュートを何本も打って、相手のDFラインを前におびき出そうとしていました。
この試合、後半から出場した工藤選手。これが公式戦初出場なのですが、ずいぶん落ち着いているようにみえました。「ファーストタッチがうまくいったので、乗っていけました。でも、得点という結果を残さないと・・・」と悔しそう。この経験を次に活かして、一日も早いプロ初ゴールを決めてほしいです。
PK戦で最初のキッカーとなり、蹴る瞬間思いっきり軸足の部分の芝がめくれ上がって、シュートが外れてしまった栗澤選手。私はちょうどベンチの後ろのGKが見づらいところに立っていたので、あれ?場所変更?あれ?また栗澤選手が蹴るの?という感じだったのですが、「GKが早く動いたという判定でやり直しになったんです。『でもここでは芝がめくれて蹴れないんですけど』と言ったら、じゃあ移動しましょうということになりました。」
私は映像も含めてPKの場所変更はあまり見たことがありません。思い出すのは2004年に中国で行われたアジアカップ。当時の日本代表宮本キャプテンが、審判に英語で掛け合って場所を変更したのを、テレビで見て以来かもしれません。ちなみに栗澤選手、PK戦でキッカーになるのはプロになって初めてだそうです。「でも、練習はしていたので」とさらり。やり直しのキックは落ち着いて決めていました。
最後のキッカーになった村上選手は「PK外したことないんですよ。そんなに蹴る機会がないからでしょうかね」と謙遜していましたが、前日の練習でもすべて決めていました。
公式記録を見て驚きました。延長戦を含めると、なんとシュート32本。それで得点がないのは、正直言って残念な気持ちもあります。でも、菅野選手が試合後に話した「リーグ戦だろうが天皇杯だろうが、とにかく目の前の相手に勝つことが今の自分たちにとっては大事なこと」という言葉に尽きると思います。今のレイソルには「目の前の試合をとにかく勝つ」ことが一番大事だと思います。天皇杯の試合とリーグ戦はまったく別物ですが、これからも「目の前の試合に勝つ」ことを目指して闘い続けて欲しい、そんな気持ちです。
チームは明日1日オフになります。あけて13日(火)からは17日(土)に行われるアウェイでのFC東京戦に向けてトレーニングを開始します。こうやって数字で書くとFC東京戦までに練習できる日は4日しかないことに改めて気付きました。あっという間です。今日の勝ちは勝ちで大事なことですが、もう次が迫っています。17日の味スタでも勝利を収められるように、また一日一日を大事に真剣に頑張っていく、それしかありません。
そんなレイソルに遠くエジプトからメッセージが届きました。この地で行われているU-20W杯で韓国代表を率いて闘い、ベスト8の成績を収めたホン・ミョンボ監督からです。
「レイソルが今、苦しい状況にあることは私も知っています。サッカーにはハードワークとスピリットが求められますが、苦しい時こそそういうものが大事になってくる。今以上にハードワークをして、スピリットを出して浮上してほしいと思います」。
はるかアフリカ大陸からレイソルのことを思ってくれている闘将の言葉は、心に響きました。シーズンが終わったら、ミョンボさんに嬉しい報告ができるよう、精一杯闘いたいと思います。残り6試合。今まで通りの熱いご声援よろしくお願いいたします。