最後は笑って
担当:大重正人
「相手は優勝が懸かっている。でもウチだってサポーターのためっていう、すごくデカイものが懸かっているんです」。杉山選手はフロンターレ戦に向けて、並々ならぬ決意を話していました。どんなに苦しい1年だったとしても、サポーターの皆さんの温かく熱い応援の気持ちをひしひしと感じ、最後の最後に少しでも恩返ししたいと意気込む2009最終戦です。
そして、レイソルを去る仲間のためにも。大谷選手が答えました。「この時期はプロとして仕方ないところもあるけど、僕自身もショックがありました。特に南さんは、僕がユースの時から正GKで、本当に長い間お世話になってきた人です。南さんのあとでキャプテンをやるようになって、南さんが見えないところでいろいろ支えてくれたから、僕はキャプテンをやってこれた。最後は勝って、みんなで笑って送り出したい」
今日は初冬の平日にもかかわらず、ものすごく多くのサポーターの方が来られました。山根選手、ポポ選手、南選手、鎌田選手、柳澤選手、ハモン選手。最後に一目会いたいという思いで、あっという間に夕日が沈んでしまうまで、待ち続けてくれました。
鎌田選手は練習前に体調不良を感じ、検査したところインフルエンザ感染が判明しました。明日の試合後セレモニーでは、6選手がそれぞれ挨拶をする予定でしたが、鎌田選手は自宅で静養するよりほかありません。実家に戻る前、場内に流れるはずだった彼のあいさつを聞くため、最後に会うことができました。「最後の最後にこんなことになってしまって、とても残念です。昨日、イシ(石川直樹選手)が連絡をくれて、すごく嬉しかったです」。プロである以上、出場機会を求めて旅立った仲間。同じような立場だからこそ、分かり合えるものがあるはずです。マスク姿で顔が半分隠れていたけど、いろいろな無念さが透けて見えるようで、何とも言えない気持ちでした。
練習を終えた南選手が、報道陣から囲まれました。いろんな思いがあるでしょうが、努めて明るく自然に。いい時も悪い時も、レイソル激動の12年間を乗り越えてきた彼は、今日も強かった。
「今回のことは、まず最初に自分の言葉で伝えたかった。だからチームにお願いしました。せっかくブログ始めたんで。それまではみんなに自分の思いを伝えられなかったから、ブログをやって良かったです。みなさんからのコメント数がすごくて、素直に嬉しかった。ここで12年やったことが間違いではなかったと思えました。特に嬉しかったのは、レイソルの南じゃなくなっても、応援してくれるというコメントが多かったことです。どこにいても応援してくれるというのは、本当にありがたいです。
なかにはレイソルのファンをやめると書いた人もいたけど、これからもレイソルも応援して欲しいです。僕は大好きなクラブだから。いつか、どんな形になるかは分からないけれど、また戻ってきたいと思っています。
サポーターのみなさんは、どんな試合でもずっと応援してくれました。苦しい時も背中を押してくれました。レイソルはサポーターあってのチームだから。特に2005年に降格して、2006年に変わったと思います。チームもサポーターも変わった。結果はこうなった(また降格してしまった)けれど、サポーターは変わらず、この雰囲気でいてほしいです。自分はまた、この日立台で、サポーターを背に試合をしたいと思っています。
自分は若い選手に何か言えるような立場じゃないけど、みんなブレずに続けて欲しい。たとえば大津も、このままいけばA代表に近いレベルにあると思うから、順調に伸びていって欲しい。そして、いつか一緒にやる時に、お互いに成長していたい」
2007年の1月、初めて広報としてレイソルに来て、選手に会った始動日。集合写真を撮るため、列になろうとしている輪の中からひとり、こちらへ歩み寄って「南です。よろしくお願いします」とあいさつしてくれたこと。これまでレイソルのゴールに浴びせられたシュートを何本も防いできた大きな手でがっちり握手してくれたこと。普通のあいさつかもしれないけど、絶対に忘れません。
「勝って、笑って送り出そう!」
これが最終戦の合言葉。明日も最高最強の応援を待っています!
担当:河原正明
最後に皆様にお知らせがございます。
過日、一部新聞紙上での弊クラブに関する記事で、サポーターの皆様に混乱を与える報道がありました。このような適切でない表現については、非常に遺憾です。
サポーターの皆様におかれましては、ご心配とご迷惑をおかけしました。