2011年11月20日

あと2つ

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担当:大重正人

「勝ちたい!」ではなく
「勝つ、俺達が勝つんだ!」
ネルシーニョ監督が2009年から注ぎ込んできた勝利への意志、気迫、執念を、熱く激しく全身で表現した試合でした。

レイソルの選手がスタジアムに到着したとき、入場を見守っていたところ、すぐあとにエスパルスの選手もやってきました。2年ぶりに会った杉山浩太選手も本当に元気そうな笑顔でした。その先頭、ゴトビ監督が私の肩を軽く叩き、微笑んであいさつをしてくれました。本当にびっくりしました。ネルシーニョ監督もそうですが、監督という人はそういう振舞が自然にできなければ、組織をまとめることはできないのでしょう。ですがそんな笑顔とは裏腹に、戦術家として有名なゴトビ監督はおそらくレイソルの戦術を深く分析し、徹底的にレイソルの長所を消しに来ました。

3トップがサイドに張って、レイソルの両サイドバックは押し込まれます。そして「相手の1ボランチのマークが徹底できなかった」とそのヨンアピン選手や、1列前のユングベリ選手が起点となってチャンスメイク。ネルシーニョ監督は、中央の工藤選手と左のワグネル選手の位置を入れ替え、ワグネル選手がヨンアピン選手をマンツーマンでマークをつけます。そして工藤選手と右のレアンドロ選手が相手サイドバックを抑えに回るなど、最近ではあまり見られなかった守備の修正を強いられるほど。そんな苦しい試合は久しくありませんでした。ボスナー選手のスーパーFKが決まり、より劣勢に追い込まれました。

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そこで手を打ったネルシーニョ監督。「バラはパスや守備での働きを期待した」と茨田選手を入れ、そして「競り合って、そこから長い距離を走って、レアンドロやジョルジのマークをはがしてくれた」と大谷選手が絶賛した澤選手の2人が流れを変えます。そして生まれた工藤選手、レアンドロ選手のヘディングは華麗というよりも、泥臭く押しこんだ執念の逆転ゴール。ベンチ入りの選手も思わずピッチへ飛び出してしまったほどの、気持ちの乗ったゴールでした。

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そんな戦いを遠く中東から応援していた選手もいます。五輪予選に参加している酒井選手が試合直後に仲間に祝福メールを送って来たそうです。
工藤選手には「ナイスゴール!」
そして増嶋選手には「ナイス、ナイスナイス!」
これにはマスも「何か上から目線じゃない(笑)?ドゥーさんが言うならわかるけど」(火曜発売のサッカーマガジンの対談をご参照ください)

これで2位の名古屋とは勝ち点3差、3位のガンバとは勝ち点4差。次節、レイソルが勝ち、、名古屋が引き分け以下など、3チームの結果次第では優勝というところまで歩みを進めました。試合後の監督会見で当然その質問がありました。「我々は自分たちのおかれている状況を十分に理解し、このリーグ戦を戦ってきた。今アドバンテージがあることも自覚しているし、その重要さもわかっている。ただグランパスやガンバが勝っても負けても、結果には影響しない。やるべきことやれば、我々はタイトルに近づける。1試合1試合に勝つことだ」。ネルシーニョ監督は報道陣の方をじっと見つめながら、ゆっくりと落ち着けるように答えていたのがとても印象的でした。

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そして今日のアウスタには、選手たちを信じ、諦めず戦ってくれた2000人近いレイソルサポーターがそばにいました。
残り2試合。ひとつひとつに全身全霊を傾け、11月26日の日立台で最高の戦いを見せましょう。応援ありがとうございました!