2009年9月 9日

名古屋戦まであと3日

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担当:石本瑞奈

すっかり秋めいてきた日立台。枯葉もどんどん増えて、景色が茶色くなってきましたが、そんななか、季節を逆行しているものを見かけてしまいました。
毛虫です。おととし、去年とけっこう目撃したので、今年はひたすら気をつけていたのですが、あまり出会わずにすんでいました。それなのに、夏が終わった今、なぜか一度に2匹も。幅5mm、長さ10cmの彼(彼女?)はモノトーンでシックにキメて、なかなかのスピードで這っていました。私は本当に毛虫が大の苦手なので、しばらく頭から残像が消えませんでした。

今日から3日間、チームは非公開練習です。練習見学を楽しみにしてくださっている皆様には申し訳ありません。お伝えできることはほとんどないのですが、ただ、チームはいい緊張感のなかでトレーニングをしていました。練習後、ネルシーニョ監督は「先週はリカバリーなども含め、しっかりチームを見直す練習ができました。今週もしっかり準備ができています」と手応えを口にしていました。

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名古屋戦まであと3日。「しっかりとした準備」というシンプルな言葉の中に、いろいろな要素が含まれていると感じました。勝つために、厳しいトレーニングをする。勝つにはどうするか、しっかり全員で把握して日々のトレーニングに臨む。本当にチーム一丸となっている実感があります。

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そして今日は選手の取材ではなく、小見強化本部編成部長の取材がありました。といってもトップチームの話ではありません。ご存知の方もいるかと思いますが、小見は現役時代の最後の4年間、ジュニアユースの指導を兼務していました。ここから指導者人生が始まったのですが、取材は当時指導していた読売サッカークラブジュニアユースの育成の話が中心でした。今から30年近く昔の話を、よどみなくポンポン答えるので、聞いていて非常に興味深かったです。

取材が終わったあと、こぼれ話を聞きました。「中学生の指導を始めたのは、ちょうどチームのキャプテンを次の選手に引き継いだ28歳頃から。自分の練習が終わったあと、夕方5時頃から教えていて、自分も一緒に動いていたので毎日が二部練習みたいだったよ」。と振り返っていました。ちなみに、その時の一期生は北澤豪氏(元日本代表)だそうです。
印象に残ったのは「自分で自分にどう点数をつけられるか。それが決まらないと選手として成長できない。そしてプロになれるかなれないかの大きな違いは欠点を隠せるかどうか」という言葉です。

自分で自分に点をつける。客観的に自分を見ることができなければ正確な点数はつけられません。つけた点が良くても悪くても、まずそこをしっかり見つめて、これからどうしたら良くなるかを具体的に考えて実践する。そうすることで成長できる。これは何もサッカー育成年代に限った話ではないと思いました。一般の社会人にも通じる話のような気がします。

欠点を隠す話は具体例を聞きました。右足しか使えない(左足は素人並み)プロ選手がいたそうです。でも試合では活躍する。なぜか。その選手は左足を使わなくてはならない状況に陥らないように、ポジション取りなどを常に考え、工夫していたからです。プロなら当たり前のことかもしれませんが、自分の欠点をしっかり見極めて、見破られないようにする。簡単なようでいて難しいと思いました。だからこそプロになれるかなれないかの「分かれ目」なんですね。

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写真提供:スキージャーナル

最後にお知らせです。1999年ワールドユース準優勝メンバー20人と指導者を取材した「黄金世代 99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年」(元川悦子著・スキージャーナル株式会社)という本が出版されます。これは以前「エルゴラッソ」に連載していたものを追加取材して一冊の本にまとめたものです。「黄金世代」と呼ばれたこの世代を検証することによって、日本サッカー躍進の可能性を探ろうという内容で、レイソルからは南雄太選手のインタビューが収録されています。発売は今月18日です。