仙台で3連勝
担当:大重正人
3連勝。しかもすべて1-0の僅少差、そして完封勝利。これまでは逆に落としてきた、際どいギリギリの試合を、粘り強く勝負強く自分たちのものにして、勝ち点をさらに積み上げました。
「戦いに関しては、落ち着かなかった前半と落ち着いた後半」。吉田監督はまず試合をこう振り返りました。前半は仙台の前線からのプレス、球際の競り合い、セカンドボールで相手が優位に立ち、どちらかと言えばレイソルが自陣で守備をする時間が長く、敵陣へ入ってもなかなかボールを回せない前半でした。ただ後半に入り、レイソルが「敵陣へ入ったら、まず落ち着こう」という監督の指示通り、じっくりと丁寧にゲームのテンポをコントトールし、徐々にリズムをつかんでいきました。
0-0の拮抗した時間が続いた終盤戦。それまで交代のカードを温存していた吉田監督は「相手の出方を窺っていた」とハモンロペス選手投入のあと、太田徹郎選手を投入。「ハモンロペスが入って、ゲームが行ったり来たり、カウンターで持っていかれるような展開をどう落ち着けるか、という理由で太田徹郎を使いました」。そして迎えた87分のCKのチャンスでした。「CKはお前が全部蹴れと監督に言われていました」という太田選手が、それまでキッカーを務めていたクリスティアーノ選手とチェンジ。そのテツのクロスを、クリスがどんぴしゃのヘッド!それまでの戦いぶり、粘り、そしてベンチワーク。すべてが噛みあい、決勝点はレイソルのもとに生まれました。
ベガルタはセットプレーを得意とするチーム。CKの数で言えば、レイソルの5本に対し、相手は11本ものチャンスがありました。しかしレイソルのディフェンスは今日もゴールを割らせませんでした。終了間際の最後のピンチ、GK桐畑選手を中心に、この写真に写っているすべての選手が声を出し、指を差して、ポジショニングを互いに確認しあっています。声の掛け合い、そして最後の最後まで切らさなかった集中力。3試合連続のクリーンシートはこうして完結しました。
吉田監督のコメントです。「前後半、そのどちらにも技術的なミスがありましたが、後半は戦術的なミスは少なくなったと思います。後半のミスはポジティブなものだったと思いますが、その技術的なミスがいくつか出たことで、時間が相手に渡ってしまうという残念さもあったが、非常によく相手のパワーに対応し、プレーして、もぎとった勝ち点だと思います。
この蒸し暑いなか、本当にたくさんのレイソルサポーターの声援というのは、この3つめを勝とうという決意を持って臨んだ我々にとってはとても大きなものでした。普段、日立台で受けるものとは違う、ユアスタ、ベガルタのサポーターというのはものすごい圧でくるので、選手達にも試合前にはこのスタジアムで冷静にプレーしていこうという話をしていた。その後でしたから、余計その力は感じました」
戦前、桐畑選手がユアスタについて話していました。「アウェイですけど、このスタジアムの応援はすごくて、屋根で反響するし、ここでプレーしていると自分の気持ちも乗ってきます。ただ、それほど攻められていなくても、「セン、ダイ、レッツゴー!」の歌で、相手は行けるぞっていう雰囲気になるし、逆に自分たちはそこで受け身になったり、押されたりしないようにしないといけない。あの雰囲気は仙台にとっては、僕たちが日立台でやる感覚でしょうね」
そんなベガルタゴールドの大声援に負けない、レイソルイエローの応援が試合前からずっと選手たちを後押ししていました。初のメンバー入りとなったエデルソン選手の応援歌がリピートされ、試合中も変わらぬ声援があり、最後の最後に大きな歓喜に変わりました。監督の感謝の言葉の中にもありましたが、選手にとっても蒸し暑い状況=スタンドも変わりありません。そんな過酷な状況下にもかかわらずホームと変わらない応援が、選手たちを支え、勇気を与え続けてくれました。今回も本当にありがとうございました。体調にはくれぐれもご注意ください。次回は、水曜ミッドウィークのアウェイ湘南戦。4連勝を懸けて、また共に戦い抜きましょう!