4つめの星
担当:大重正人
今日の選手たち、そしてサポーターが一体となった戦いぶり。「後ろから見ていて、感極まるものがあった」という菅野選手の言葉通り、胸を打つものがありました。いままでの3度の優勝はどれも忘れられないものですが、今回ほど厳しい状況の優勝決定戦はなかったと思います。レッズの攻撃的サッカーを跳ね返し、あれだけの赤いサポーターに対して一歩も引かない応援を繰り広げたイエローのスタンド。レッズという屈指のクラブに勝れたこと、本当にすばらしい優勝を全員でつかみとりました。
工藤壮人選手、前半唯一のチャンスだったヘディングゴールを決めたのですから、文句なしのMVPです。しかし、それと同時に守備での貢献が抜群でした。キックオフの前、今日の前線を見て、あれ?と思いました。先発復帰したレアンドロ選手がいつもの右ではなく左へ。工藤選手が右へ回っていました。すぐに合点がいきました。槙野選手にはりついていたからです。先週のリーグ戦、立ち上がりに槙野選手の攻め上がりを許し、連続失点を喫しました。復帰初戦のニーヤンに厳しいアップダウンを求めるのは厳しいでしょうし、クドーは大変難しく重要なタスクを負っていました。
ただクドーの良さは、間違いなくゴール前の決定力。同じ右サイドだった藤田選手は「クリさんとグッチ、自分でカバーし合って、常にカバーにいける距離感を保とうとみんなで言っていた。できるだけ、クドーが攻め残りできるようにしたかった」と、ネルシーニョ監督のチーム戦術をみんなが理解して、ピッチで表現していました。
ハーフタイムに大谷キャプテンが「見ている人にとってはどうかわからないけど...」とつぶやいていましたが、立ち上がりの15分ほどを守備の時間が長くなりながら無失点を続け、相手の長所を消して、堅く勝負にこだわったゲーム展開に持ち込んだ時点で、レイソルのペースになったと思いました。そこで生まれた最初のチャンス、相手にダメージを与える終了間際の先制ゴールでした
藤田選手からのクロス。右サイドから内へ曲がるクロスではなく、ストレートボールでした。相手は間違いなく意表を突かれたはずです。かぶり気味になった裏でクドーが見事合わせました。マサトは膝を痛め、メンバーチェンジも準備される中で、懸命にピッチに残りました。最後の力を振り絞ってのキック。「夏ごろに監督から練習しろって言われて、トレーニングしてきました」。現役時代右サイドバックだった監督は、同じポジションへのこだわりか、とても熱心に指導することがあります。居残りで2人が黙々とキックを続けていたことをすごく覚えています。この大舞台で大きく実りました。
マサトの出場の裏には、キムチャンス選手の大きなアクシデントもありました。非公開練習のさなか、担架で運ばれ、痛みに喘ぎ苦しむチャンスの声が忘れられません。病院に搬送されたその日の夜、チームのLINEにチャンスからのメッセージが届きました。「まだ少し痛いです。みんな頑張ってください」。痛みもあるはずなのに、微笑みの写真でした。
それに返事がありました。「必ず優勝します」。工藤壮人、まさに有言実行のメッセージでした。ユニフォームの下には、27番のユニフォームを着て、ともに戦っていました。「去年の天皇杯はコウキくんが自分のユニフォームを着てくれた」。そしてチャンスからもメッセージが届きました。「優勝おめでとうございます!試合ちゃんと見てました。みんなの戦う姿を見て、自分も頑張らなきゃと思いました。一日でも早くみんなとボールが蹴れるように頑張ります」澤選手がすかさず「待ってるぞ!!」、テツローもハングルでメッセージがありました。
鈴木選手も負傷し、大谷選手、橋本選手も出場停止。急きょの右ストッパーで力強い奮闘を見せた谷口選手、膝の重傷からファイナルへ間に合わせた増嶋選手。茨田選手、太田選手もこの大一番での起用に身体を張った守備で応えました。スタメン、リザーブ、スタンドで見守った選手も、病院から見守った選手も。
そしてサポーターのみなさんの声援なくして、この優勝はありませんでした。赤く染まったスタジアムで、黄色の一角からの強力な後押し。2011.12.3と同じように『柏』の人文字。本当に心強かったと思います。レイソルにかかわる全員の力、これぞ「レイソルの組織力」で4つ目の星を勝ち取りました。今日は大いに喜びましょう!最高の一日です。みんなが笑顔になれた最高の一日、みんなに感謝したいと思います!