9年ぶり
担当:大重正人
やりました!天皇杯、ベスト8進出です!なんと9年ぶりのことです。ポポ選手のフリーキックでもぎとった1点を、全員が大切に辛抱強く90分間集中しつづけた結果が、最高の形で表れました。試合後の会見で石崎監督が振り返ったように、京都は3-4-3のフォーメーションで向かってきました。序盤はセカンドボールを拾われ続け、苦しい時間帯が続きました。しかしマリノス戦のように3トップに大きく崩されることなく、4バックとダブルボランチでしっかりとゴール前を固め、決定機を作らせるシーンは少なかったように思います。
前線ではポポ選手が攻守に走り回っていました。前半からの献身的な走りが、相手DFの肉体的精神的スタミナを消耗させます。そして後半18分、栗澤選手の身体を張ったボールキープで得たチャンスに、豪快な直接フリーキックを突き刺しました。その後、フェルナンジーニョ選手が投入されて、さらにピンチも招きましたが、やはり球際での激しさ、負けないという気持ちがひしひしと伝わってきました。
TV中継のないなか、今日はWEB、モバイル速報観戦されていた方にはお詫びしなければなりません。残り10分のところで、パソコンがフリーズ。画面を見るとバッテリー切れ……仮設の記者席に電源がなく、それでもなんとか90分持つかなと思っていたのが甘かった。いったい、どうなってるんだ!? とヤキモキされたことと思います。本当に申し訳ありませんでした。こうなったら今できることをと思い、本部室に戻って電源コードをさし、試合の模様をなんとかメモ。ピッチ脇から見る平面と、スタンドから俯瞰して見るピッチはまったく別物で、なかなか状況がつかめませんでした。
それでも戦いの真っ只中、ベンチで大きな声を出しているスタッフ、ウォームアップを続けるリザーブの選手の息遣い、木村エクイップメントは熱いまなざしで試合を見ながらも、試合後の片付けやクールダウンの準備。そして勝利の瞬間、今日もすべてを出し尽くして交代した杉山選手の最高の笑顔。勝利の安堵感。サポーターが上げる凱歌。普段は味わえない雰囲気を感じることができました。
今日は、李忠成選手が待望の復帰を果たしました。五輪から戻った8月のFC東京戦を前にして離脱。手術を決断し、地道なリハビリが少しずつ実を結び、ようやく今日を迎えました。プレー自体は「まだ何も…」という感じでしたが、チームのおかれた状況に応じた懸命のキープなど、役割を果たしました。「みんなのモチベーションも高いし、1月1日の決勝まで行くのが目標です。ケガをして心配かけた多くの人に自分のプレーを見てほしいから。次の広島戦は誕生日のころだし、先発でいけるように体調を整えたい」としっかりと次を見据えていました。
天皇杯へのモチベーション。それは先日のナビスコカップの影響が大きいようです。小林選手や大谷選手は「大分の優勝を見て、モチベーションが高まっている。国立での決勝という場所でプレーしたい」。準々決勝はサンフレッチェ広島と12月20日に戦います。あと二つ勝てばファイナリスト。リーグ戦残り3試合と天皇杯、いま自分たちが立ち向かえる最大の目標をしっかりと見据えて闘っていきます。