横浜FC戦
担当:大重正人
「レイソルはイライラしているのが分かった」。下平監督が会見でそう話しましたが、冷静にプレーできていなかったのは事実だったと思います。前半3分、瀬川選手のファウルでイエローカードという、今日の判定基準が示されました。提示された裏にはしっかりした根拠が当然あるのだと思いますが、あそこであのプレーでカードが出てしまうと、そのあとのプレーに少なからず影響が出てしまったと思います。これはファウルなのか、あれはファウルじゃないのか。常にレフェリングの基準を探すようにも見えました。
とはいえ、、その判定が試合の行方を完全に左右したかといえば、ネルシーニョ監督の言葉からして、そして試合内容からして、そうではなかったとも感じます。
「特に前半のゲームの入りが非常に悪く、ポジショニングも良くなくて守備がはまらなかった。相手のビルドアップに不必要にスペースを空けてしまう時間帯が続き失点を許してしまった。HT後は守備の部分は改善できていたが、流れの中で2点目の失点を許してしまった。今日に関しては戦術的・技術的な部分も含めてレイソルにとっては思うように進まない結果になった。」
横浜FCが新しく取り組んでいる3バックシステムに合わせ、レイソルもしっかりマッチングするシステムで挑みましたが、呉屋選手も「なかなか守備ではめられなかった」と悔やみました。試合の流れを変えようと監督は、前半28分に早くも神谷選手を投入し、並びを変えます。ボールをつないで徐々に敵陣での時間を増やし、オルンガ選手のポストプレーから右サイド神谷選手のクロスを呉屋選手がヘディングシュート!その前にもゴールマウス直撃の惜しいヘッドがありましたが、今度は枠内へとボールをねじ込みました。あの時間帯の流れは、十分後半の逆転を予感させるものでした。
ただ、後半開始早々の失点は、絶対に与えてはいけない時間帯でした。相手のシュートはわずか4本、終了間際のオウンゴールを入れても、そのビッグチャンスを3度ゴールに繋げた決定力は横浜FCのすばらしいところでした。試合後に会見に応じてくれた先制点の斉藤選手は18歳、DFの小林選手も19歳、そのほか、大卒ルーキーの瀬古選手や星選手、新加入の一美選手など、U-23選手の躍動が光っていました。レイソルで中谷選手や中山選手を抜擢した下平監督らしい、思い切った若手中心のチームに、今日は甘んじて結果を受け入れるしかない敗戦でした。
レイソルは中断明け2試合目、コンディションはここから、より上がっていく段階で、今日は5枚のカードをすべて切りました。山下、小林、呉屋、高橋祐、北爪、ジュニオールの6選手が、中断明けで初めてピッチに立ち、20分以上プレーしました。オルンガ×呉屋の2トップや、サヴィオ&ジュニが投入されてからの迫力あふれる攻撃は大きな可能性を感じさせるものでした。ただ、やはりこのチームの神髄は攻守一体、良い守備から良い攻撃へ、これが発揮される時が一番強い。去年もそうでした。2連敗で迎えるのが、アウェイでの川崎戦とまた困難な試合を迎えます。中2日の厳しい日程は相手も同じ、真価の問われる大一番となります。