2011年12月15日

輝かしい将来のために

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担当:大重正人

立ち上がりから「前半からコンパクトにして、相手へのマークも厳しく、球際でも気持ちこめてマイボールにできていた」という澤選手の言葉どおり、前線から最終ラインまで組織的なディフェンスで、サントスのアタックを封じていました。攻守の切り替えも上回っていたと思います。それでもネイマール、ボルジェスのシュートは、ストップするチャンスが限りなくゼロに近いスーパーゴールでした。シュート数こそ14対8はレイソルが上回りましたが、枠内は4対5。その差がスコアに如実に表れました。

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兵働選手の言葉が物語っていました。「次元が違っていました。常にボールをさらさないというか、足に吸いついている感じ。身体ごと止めに行かないと止められない。狭いところでも崩せる技術、ちょっとしたスキでも決めてくる決定力。でもこれを体験できたことは、サッカー人生のなかですごく貴重なものになりました」。先日のon the way取材で教えてくれたように、エスパルスでのサイドバックデビューが、この大一番で活かされました。そのお話はまた後日のモバイルで。。。

ただレイソルは踏ん張りました。サントスがゲームをコントロールしていたにせよ、レイソルは王国ブラジルの名門を上回るボールポゼッション(52%vs48%)をマークし、レアンドロ選手を起点にしたカウンターでサイドを崩し続けます。CKから鮮やかなヘディングを決めた酒井選手は、その後も右サイドを切り裂き続け、また正確なフィードで多くのチャンスを作り続けました。

「たしかJ2水戸戦以来のヘディングゴールです。今日は足の痛みを感じないほどでした。幸せな時間でした」。サントスのムリシー監督は「将来は花咲く選手だと思う」。ネイマール選手も「すばらしい選手だった」と称賛。ブラジルメディアからもその大きな声でいたるところから「サカイ、サカイ」という名前がメディアルームに響き渡っていました。

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自分だけじゃなく、チーム全員にすごくいい経験を得ることができた試合だった。このレベルでの戦いは、自分たちがやってきたことが正しいと証明する場でもあるし、特にこれからのレイソルを背負っていく若い選手にとっては、輝かしい将来のためにとても大きく貴重な経験になった。(ジョルジ選手)

選手たちからの言葉は手ごたえや自信を感じさせるポジティブなものが多かったですが、「悔しい」という言葉と苦々しい表情はみな一様でした。上には上がいる。それを身体同士でぶつかりあい、直接肌で感じられた特権は、Jリーグチャンピオンになれたからこそ得られたものでした。このかけがえのない経験を、日曜の3位決定戦、そして水曜の天皇杯名古屋戦、来年のACLやリーグ戦で血や肉や骨に変えていかなければなりません。次は、レアンドロ選手、栗澤選手と攻守の要が出場できません。準決勝進出のおかげで、明日は柏に帰ることが可能となりました。家族や友人と過ごし、心身をリラックスして、体力回復、そしてポジションを懸けたいつもの競争がリスタートします。まだまだ戦いの道が続いていきます。

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レイソルの強さを認めてほしい。
そんな気持ちを込めて、モンテレイ戦の日記を書きました。今日のサントス戦、改めてレイソルのサッカー、持ち味を存分に発揮した試合だったと胸を張れます。スタジアム、テレビの前で観戦された日本のサッカーファンの多くに伝わったはずです。ただ、サントスを応援する日本人のサポーターみなさんがスタジアムにたくさんいらっしゃったこと。個人的にはそれが一番悔しかったなぁと。。。ネイマール、そりゃめっちゃ凄かったですけど。でもその皆さんにもレイソルのサッカーをその目で感じていただけたはず。ならばすごく価値のある試合になったと思います。