2013年3月 9日

敗戦を糧に

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担当:大重正人

先週のJリーグ開幕戦、早い時間での先制点、そして狙い通りのカウンターで追加点を挙げての3ゴール。今日も同じような展開になりましたが、主役の座は、残念ながらFC東京の側でした。「今日はとにかく、我々よりも相手が、覚悟と心技そして組織としての戦い方の質で上回っていた、勝ちに値するチームだったということだと思います。Jリーグでのいつも通りの我々が少しも出せなかった」。大変残念ですが、ネルシーニョ監督の言葉が、すべてを物語っています。

ただ、勝ち点は落としたけれども、決してこの試合を無駄にしてはいけません。得るもの、感じたものが必ずあるはずです。前半14分、右サイドでキープした工藤選手。2人に囲まれての苦しい体勢から、2人の間を割って出る見事なクイックターン。シュートは惜しくも阻まれましたが、受けてから仕掛けるというところで、また新たな可能性を見せてくれました。「水曜にすぐ試合があることはポジティブにとらえて、ACLでは自分たちの本来のプレーを出して、勝ちにいきたい」

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0-2の後半から、逆転への大きな期待を込められて起用されたのは、山中亮輔選手でした。ワグネル選手、橋本選手とレイソルが日本に誇るレフティー2枚が欠場の中、狩野選手や田中選手、大谷選手とともに左サイドで果敢にアタックしました。「自分が流れを変えて、ゴールに絡もうとしていたが、結果が出なくてとても不甲斐ないです。1対1の場面でも相手のほうが、力が上だった」

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マッチアップした相手は、FC東京の右サイドバック徳永選手。ロンドン五輪ではオーバーエイジで日本代表の守備を支え、国内でもジュビロの駒野選手と双璧をなす、いまJ屈指の右サイドバックです。山中選手にとって、やはり簡単な相手ではありませんでした。得意のドリブル、スピードでもなかなか相手を上回れる局面を作れませんでした。今夜は、悔しさと不甲斐なさで眠れない夜かもしれません。

それでも、2点ビハインドからの最初のカードとして、国内屈指の相手に対して、高卒2年目の選手が監督から抜擢されること自体が、まず凄いことだと思うのです。そして、公式戦の真剣勝負で、乗り越えなければいけない大きな壁がいること、現状の自分の力量が図れたことは、これ以上ない経験と財産になります。「自分自身の力不足を感じた。ただこういう経験も大事だと思うので、練習から強く意識していきたい」。日々のトレーニングから、今以上に目の色を変えて、自分を高めていってくれるはずです。

0-3という大敗を喫した選手たち。それでも味スタのゴール裏に詰めかけたサポーター皆さんは、力強い激励の嵐でした。ヒーローインタビューの渡邉選手の音声をかき消すように、「ACL!ACL!!」のコール。そして、レッツゴーカシワの大合唱。ロッカールームへ戻る選手たちの背中にむけて、ものすごい応援が贈られました。今日の借りは、必ず返さなければいけません。選手たちも胸に強く刻んだことでしょう。

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明日10日から、第2回チケット販売のアソシエイツ先行販売が始まります。4月6日のACL水原戦、4月23日ACL貴州戦、4月26日大宮戦、5月6日横浜FM戦の4試合分です。マリノス戦以外は平日ナイト開催ではありますが、クラブが勝者になるには、何より皆さんの応援が欠かせません。どうぞよろしくお願いいたします。本日の応援、誠にありがとうございました。