今日の聖地はいつもと違った
担当:大重正人
「球際で戦っていない。気持ちで負けないで、自信を持って積極的にいこう」
0-2で終えた、今日のレッズ戦の石崎監督ハーフタイムコメントです。いつもは戦術的な対応策が最初に来ることが多いのですが、こんなふうに戦うための心構えを諭すことは今季に入って初めてではないでしょうか。試合を迎えるにあたって、身体的な準備とともに精神的な準備ができていないと、いい戦いはできません。そういう意味では、日本サッカーの聖地・国立戦は、やはり一種異様な状況下で行われていたということでしょう。
私はいつものように、試合中は報道記者席でテキスト速報を入力していました。国立競技場の記者席は、メインから向かって右側に少しずれていました。もう一面の赤世界。そして、あまりにも強烈な応援&ブーイング。スタンドにいるだけで恐怖感すら覚えるほどの応援を感じたのですから、ピッチに立った選手が、普段とは違うメンタルコンディションになっても仕方のないことでしょう。
改めてサポーターのパワーを思い知りました。普段のホームゲーム、レイソルサポーターの皆さんに聖地・日立台で応援していただいていることが、どれだけ選手の力になっていたかを。そして敵ながら、相手に強烈なプレッシャーを与えてしまうレッズサポーター。ともに「12番目の選手」としてチームとともに戦っていました。
試合後のロッカーでも、南選手、古賀選手、近藤選手らが試合について話し込む様子も見られました。前向きで建設的な話し合いができていました。前半で負傷交代した山根選手。今日はすばらしい輝きで反撃の一翼を担った谷澤選手の肩を借りながら、帰りのバスへ向かっていました。多くの報道陣を見て「さすが代表そろいのレッズは違うね?」と口ではいつもの軽快な調子でしたが、悔しい思いを隠していたはずです。今朝に欠場が決まった鈴木達也選手とともに大事に至らなければ…と切に願うばかりです。
後半は自信を取り戻したかのような戦いを見せてくれました。ゴールこそなりませんでしたが、積極的に戦う姿勢はいつものレイソルイレブンのまま。後半の戦いは、今日の試合だけでなく、まだまだ30試合残るリーグ戦につながる45分間になりました。すばらしい切り替えができたように思えました。1位も2位も関係ありません。目標はあと勝ち点32!