最高の日立台
担当:大重正人
3月のナビスコカップの時も同じようなことを感じ、ここに書きましたが、最高の試合が行われるためには、もちろん我々レイソル選手たちの頑張りはもちろんですが、実力の高い相手なくして生まれませんし、この日立台というJ屈指の臨場感の中で、両チームサポーターが作り出す最高の盛り上がりと雰囲気があったからこそのものです。
そして、このサポーターの言葉通り、レイソルは勝ちました。そういうシチュエーションがあって、そして最後の最後に勝ち取った勝利。忘れられない、格別の一日になりました。選手入場時のフラッグによる演出、場内総立ちの手拍子のなか、選手たちが奮い立たないわけがありません。PKキッカーとなった田中選手は「すごく緊張したが、サポーターの顔を見て、力をもらった」とその後押しへの感謝を述べました。
劇的な決勝ゴールは、黄金の左ではなく、右足から生まれました。「左と同じよう、右でもなるべく同じフォームで蹴れるように、ずっと練習していました」。強烈な左足のイメージが強すぎて、どうしても期待が高まってしまうのですが、「工藤のように流しこむゴールが増えないと、数字が伸びませんから」と日々の努力を結果に結びつけました。
結果を欲していたのは、茨田選手も同じでした。ここまでのリーグ戦で先発は1試合もありません。「攻撃の持ち味を出さないと」と彼が起用されるのは、チームがビハインドを背負う状況が多かった。そこでチームを勝たせる結果が残せていなかっただけに、今日は後半開始から全開でした。立ち上がりに太田選手との抜群のワンツーから、ペナルティエリアまで侵入。惜しくも相手の好守に阻まれましたが、彼の作り出すリズムでレイソルはあわてず戦えました。
同点ゴールの場面、それはもう「美しい」という言葉しかないボレーシュート。今季、低い弾道から枠をとらえるミドルがよく見られていましたし予感はありましたが、まさか想像を超える一撃でした。このシーン、ハイライトで見ると、そこまでに至る選手たちの正確なプレーがありました。ボールを鋭くカットした鈴木選手を見て、太田選手が右サイド裏へ飛び出します。正確な縦パスを受けた太田選手、パスが持ち味のテツですが、ここは裏へスペースがある1対1、正しい状況判断でドリブルを仕掛けてクロスを入れます。ニアには抜群のタイミングで工藤選手が飛び込んでいました。頭を越えてチャンスは潰えたかと思ったところ、左サイドへ労を惜しむことなく橋本選手が上がってのクロス。みんなで必死につないで、ついに生まれたバラのスーパーゴールでした。バラへ駆け寄る選手たち、これぞみんなで決めたゴールだったことを表していました。
4月にしては大変な暑さだったなか、力を出しつくしての逆転勝利。この頑張りを、ゴールデンウィークの連戦で続けて出せるかが、連勝とさらなる浮上へのカギとなります。中2日でのアウェイガンバ戦。さらに中3日でホーム鹿島戦です。今日の逆転は、サポーターの声援なくしてありえませんでした。この喜びを何度でも味わえるよう、これからも選手たちへの応援をどうぞよろしくお願いいたします。今日は誠にありがとうございました。